失敗は成功のもと!?偶然から生まれた名作「タルトタタン」と「FALSE ROUND」
こんにちは。
元パティシエ眼鏡偏愛家の渡辺です。
先日、日比谷公園を散策してきました。
緑豊かな公園内は、一面に咲く百合の花や、噴水など見応えがあり、夢中になって歩き回りました。
歩き疲れたので、近くにあったベンチに腰掛けていると、ふと甘いものが食べたくなってきました。
疲れた時に無性に甘いものが食べたくなることってよくありますよね?笑
どうしても甘いものを欲してしまい、近くにあったお店に吸い込まれました。
魅力的なラインナップの中から私が選んだお菓子は「タルトタタン」でした。
フランスの伝統菓子の「タルトタタン」とは?
タルトタタンは、バターと砂糖で炒めて、キャラメリゼしたりんごを型の中に敷き詰めて、その上からタルト生地をかぶせて焼き上げます。
焼き上がったらひっくり返して、りんごの部分が上になった状態にして出来上がりというお菓子です。
黄金色のりんごをたっぷりと使った豪華な見た目が特徴的です!
程よい酸味と甘み、キャラメリゼによるほろ苦さが絶妙で、私はタルトタタンに目がなく、ついつい買ってしまいがちです。
ここまで惹きつけられるタルトタタン。
実は、ある失敗から生まれた名作ということをご存知でしょうか?
「うっかりミス」からこそ生まれた至極の逸品のタルトタタン
タルトタタンは、19世紀のフランスのパリソローニュ地方で、タタン姉妹が経営するHOTEL TATIN(ホテルタタン)で生まれました。
ステファニーとカロリーヌという姉妹のうち、調理を担当していたステファニーが、伝統的なアップルパイを作ろうとしたときに、タルト生地を忘れてリンゴを焼いてしまうという「うっかりミス」をしてしまいました。
その失敗を何とか取り返そうとして、りんごの入ったフライパンの上からタルト生地をのせて焼いたのです。
焼けた頃にフライパンをひっくり返してみると、キャラメルの香ばしい香りがするタルトができあがっていました。
この偶然から生まれた美味しさが話題を呼び、タルトタタンはホテルタタンの看板菓子となり、世界的に広まっていったのです!
タタン姉妹の失敗に感謝したくなるような、幸福感を味わえるお菓子だと思います!
失敗から生まれた名作はお菓子だけでなく、私の好きな眼鏡にも存在しております。
失敗した丸めがねから生まれた、唯一無二のラウンドシェイプの「FALSE ROUND」
1878年に創業した、フランスの老舗眼鏡工場が作る「GOUV/AU | グーヴォ」というブランドにもある失敗から生まれた名作が存在しております。
GOUV/AUのブランドについては下記のURLから詳しい紹介ページへお入りいただけます。
GOUV/AUには「FALSE ROUND」というモデルがあります。
直訳すると「間違えた丸めがね」です。もはや名前からして潔いですね。笑
ラウンドシェイプを作っている際に、リムが変形してしまい、誤ってできてしまった形だったのですが、計算では生み出せないような絶妙な変形具合がとても可愛らしく、製品化されたモデルです!
偶然から生まれた「FALSE ROUND」の美しい形に注目!
FALSE ROUNDの注目すべきポイントは、良い意味でアンバランスなフロントデザインにあります!
GOUV/AUの「ROUND」と比べてみると違いが一目瞭然ですね。
まるでROUNDを上下からムニッと押しつぶしたような形にも見えます。
かといって、オーバルかと言われると、それもなぜかしっくりこないくらい違和感のある形なんです。
どこに違和感を感じているのかをハッキリさせたいので、さらにじっくり眺めてみると、ようやく片鱗にたどり着きました!
それは、歪な丸みの中の重心にありました。
FALSE ROUNDは下半分のほうがボリューム感があり、ぽってりとした印象を併せ持つ形なんです。
さらに四隅に向かって、ほんのり角張っているので、これがオーバルとの違いだと感じたポイントだと思います!
人間の顔って左右非対称ですし、一直線やまん丸なところって実はないので、この違和感ある形が自然にスッと馴染んでしまうところも驚きです!
失敗は成功のもと!!偶然から生み出された「名作」
世の中にある多くの名作たちは、しっかりと計算や設計を経て生み出されたものが多いと思います。
そういう完璧性のあるものは、もちろん美しいと思います。
ただ、そこに失敗というスパイスがプラスに加わると、予想もしていなかった名作が生み出されるのも醍醐味なのではないのかなと感じさせてくれました!
世界中に愛され続けている「タルトタタン」のように、「FALSE ROUND」は、これからの新たな ROUNDとして、多くの方々から愛される名作だと感じました!