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会話の”熱量”を上げる「受け取る力」

会話のキャッチボールを終わらせる、3つのギャップ(参考:キャッチボールは難しい?打たないスキルは重要だ)。前回の情報の差に続き、今回は熱量について。

価値観が生む”熱量”と、会話中に変化する”熱量”

会話に現れる熱量の差。
生きる熱量、情報への熱量、共創への熱量、問題解決の熱量、目標達成への熱量など、熱量には様々ある。
会話で何かを得たい、理解を深めたい、いい関係性を作りたい、といった目的があるほど会話に向かう熱量は高くなるし、
これまで、会話のキャッチボールで、「気づきがあった」「ヒントになった」「楽しかった」と感じたり言われたポジティブな経験が多い人も、高い熱量でのぞめるだろう。
そして「伝えようとしたが徒労に終わった」「分かり合えなかった」「など、ネガティブな経験が多い人はどうしても熱量は低くなる

その人の過去や未来へ続く価値観から出来上がったもの、つまり個々の経験からくる熱量の差は、他人がキャッチボールだけで変えることは、なかなか厳しい。

でも、初めて話す他人同士でも会話の熱量に影響を与え合えることがある

互いの"熱量"を高めるのは「受け取る力」

以前、会話中に相手の質問に答えたのに「イマイチわからないから論点を変えて」とどういうものがいいのかの提示がないまま一方的に言われたり、途中で突然「そういえば」と会話を遮って自分の話をされると、「そろそろ、帰ろっかな、、、」と思ったことがあった。
こうした会話は、ボールが受け取られていないことで、熱量が急降下し、キャッチボールが終わっていく。

一方で、バッテリーコミュニケーションでは、「そう思ったんだね」「そういうことがあったんだね」「そう考えているんだ」といった承認
「それは知らなかった!」「わかる!」「面白い視点だね」といった会話によって起きた影響の表現、「僕もそれに似た経験があって、、」「意見が欲しいんだけど」などの情報の交換が頻繁に交互に繰り返されている。

photo by Instagram @yuichi_chiwawa 

会話で生まれた信頼が、会話後も続く”熱量”を生む**

このようなキャッチボールでは、「投げる」、「受ける」、「投げ返す」という流れが、ストレスなく、コミュニケーションの未完了もなく、繰り返され、信頼関係であるラポールが築かれている。
会話が終わった後、スッキリしたり、ポジティブな気持ちになることが多く、「また、この人と話したい」と思う。
会話で互いの存在によって築かれた信頼関係が、熱量を保つのだ。

「話すことで自分を知る」オートクラインで”熱量”は上がる

”自分の価値観””優先順位の背景””なぜその道を通ったのか”など、話すまで気づいていなかった自分の中にあるものを、質問に答えようと口に出してはじめて気がつく、という経験はないだろうか?
人は、話しながら自分の話を聞いていて、自分の中にあるものを外に出すことで、初めてそれを認識したり理解することがある”。それをコーチングではオートクラインと呼ぶ。
相手の質問に答えようと自分の中にあるものを外に出し、自分を理解することも、一つの受け取る力
オートクラインは、起こった人の会話への自主性を引き出し、それを伝えることが、相手の”自分が引き出した”という自己効力感を高めてくれる。


会話の熱量を減らす、「伝えない」「聞かない」保身

人に立場はつきもの。
上司・部下、取引先、ライバル、親子、先輩・後輩あらゆる関係性の背景に立場があり、その立場が生む「保身」。
これが会話の熱量を下げることをしばしば見てきた。

「相手からよく思われたい」「評価されたい」「立場を弱くしたくない」「尊敬されたい」という思いは、熱量をそこに堰き止めてしまい、会話に届くのを妨げる。
保身のための、内容へのコントロールの意識(伝えない・聞かない)が生まれると、会話自体が持つ自由度は減り、会話に予測が生まれ、インタラクティブ性とともりキャッチボールの熱量は下がる。
信頼関係の構築を立場に依存せず、会話でラポールをつくろう。

インタラクティブ性はキャッチボールの熱量を測る物差し

会話の熱量を互いにあげることができているかは、インタラクティブ性で測れるのではないか。

「投げる」、「受ける」、「投げ返す」の流れで、どれかだけに力が入っていないか、どれかばかりを繰り返していないか。
会話のキャッチボールは二人でするもの。二人の、そして相手の会話をサポートするのに、投げる、受ける、投げ返すそのどれもが有効なことを意識して、熱量高く、創造性のある会話を楽しみたい。




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