記事をシェア「「やぶ医者大賞」に南部の市川さん 医療過疎地の命支える」

2018年7月30日 (月)
山梨日日新聞

「ヤブ医者」というタイトルが目を引き、

ん?ダメな意味かな?と思わせて、実はDr.コトー的な頼れるお医者さんを選んだ、というのが面白い。

養父市、素晴らしいネーミングセンス!!

そういえばオンライン診療というシステムも過疎地で少しずつ始まったと聞く。

なかなかお医者さんがいない、常駐できない地域には希望の光ではないかと思うが、

オンライン診療のみで乗り切るというのはどうかと思う。

直に会って、診て、話して、という行為の中に、治療の一端が含まれる気がするからだ。

やはりどこまで機械化や人工知能の発達が進んでも、人間の存在、触れ合いというのは絶対に必要で存在意義も価値もあるのだと思う。

山あいの小さな町で、1人で訪問診療を続ける医師がいる。南部町国民健康保険診療所の所長、市川万邦さん(48)。無医村だった旧芦川村(笛吹市芦川町)に生まれ、病気で救急搬送された親戚を亡くした経験から、へき地医療の道を志した。へき地医療への貢献が評価され、兵庫県養父市が設けた「やぶ医者大賞」に選ばれた。

 南部町役場本庁舎から車で約10分の同町楮根の民家。市川さんが聴診器で久保田義夫さん(91)の呼吸音を確認し、「体調は良さそうですね」と声を掛けた。久保田さんはほっとした表情を見せ、「足が悪いので、来てもらえると本当に助かる」と感謝した。

 市川さんが医師を目指したのは中学2年の時。近くに住む伯父が突然倒れ、車で30分ほど離れた旧御坂町の病院に搬送されたが亡くなった。死因はくも膜下出血。「もっと近くに医師がいれば、助かっただろうか」。近くに病院や診療所がない医療過疎地に住む人の命を守りたいとの思いから、自治医科大に進んだ。

 県立中央病院に研修医として勤務した後、都留市立病院、道志村国民健康保険診療所を経て、栃木県の医療センターで小児科医として経験を積んだ。2010年、南部町の募集に応じ、国民健康保険診療所の所長となった。

 所長とはいえ、診療所の医師は1人だけ。診療所で外来患者を診つつ、週に2日は診察に出掛ける日々だ。独り暮らしの高齢者宅や高齢夫婦などの世帯を、月に30軒ほど訪問し、診察する。

 診察だけでなく、保健師やケアマネジャーと連携して医療以外の支援も話し合う。町民の健康診断の受診状況をもとに健康教室も開催。「地域に寄り添い、地域医療や地域住民の健康福祉向上に貢献している」と評価され、県内では初めてやぶ医者大賞に選ばれた。「周囲の人たちの支えがあったからこそ、続けられた」と謙虚に喜ぶ。

 「住む地域に関係なく、国民は高い水準の医療サービスを受ける権利がある。少しでも役に立ちたい」と話す市川さん。これからも県境の町で診察を続ける。

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