見出し画像

記事をシェア“医師が処方する「治療アプリ」が登場間近”

日経good day
キュア・アップ代表取締役 佐竹晃太医師
より一部抜粋

私が「治療アプリ」という存在に出合ったのは、米国に留学したときでした。2013年、医療ITをアカデミックに研究する「医療インフォマティクス」を学ぶために、ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院に留学しました。そこで目を通した1本の論文によって、医療系テクノロジー企業「WellDoc」が開発したスマートフォンアプリ「BlueStar」の存在を知ったのです。

一言でいえば、糖尿病患者の行動変容を促すアプリです。患者は、日々の血糖値、食事の量、体重、運動量などのデータをスマートフォンに入力します。データはクラウドに保存され、ソフトウエアが患者の状態を診断。患者の状態に合った生活改善のガイダンスをスマートフォンに送ります。患者にとっては、今何をすべきかが明確に分かり、続けると食事・運動習慣など行動変容が起こるのです。
 論文に掲載されていた臨床成績も驚くべきものでした。糖尿病の重症度を表す検査データの一つにヘモグロビンA1c値があります。「BlueStar」を使った人と、使わなかった人とを比べると1.2も差がありました。内科医が見れば糖尿病の新薬と同じぐらいの効果が出ていることが分かります。一介の医師である私にとって、病気の治療法といえば「薬」か「医療機器」しか頭にありませんでしたが、そこにスマートフォンのアプリという第3の治療が登場したのです。

医師にとって診察中の患者からは多くの情報が得られますが、通院と通院の間の期間は、患者がどういう生活をしているか、ブラックボックス状態でした。「治療アプリ」で得られる情報で、それが見える化していく。生活改善指導などより踏み込んだことが行えると思います。

--------

引用ここまで

今まで、というか今も、生活習慣や食生活の指導は、医師などの医療従事者が患者さんに伝えてそれを一人で実施してもらう、しかなかった。

それも3分診療のように短時間の診察では、なかなか具体的な指導ができなかったり、こちらは説明したとしても受け取る側の患者さんの理解度が人それぞれで、きちんと理解できているのか、そして理解できても実施できているのか、確認がしづらいといった様々なハードルがあった。

アプリを使えば、説明の時間が十分に取れなくても、わからなければ自身でまた自宅に戻りアプリの説明を読んでもらってそれを元にわからない点を聞いてもらったり、
また実施する項目が患者さん自身もわかりやすく、実施したかも医療従事者が把握できるのでよいシステムであると思う。

もちろん、アプリに全面的に頼って、丸投げしてしまえ!ということではない。
あくまで診察や服薬指導の「補助」に使うということだ。

話を飛躍させすぎて恐縮だが、
ここにさらに私のアイデアを足すのであれば...

例えば医学的、科学的なデータに基づいた運動や食事、生活習慣の指導のためだけでなく、
そのアプリを通じて患者さん同士の繋がりを作り、一人で孤独に頑張っていると思いがちな治療を、みんなで励まし合い、楽しく遂行するようにする、とか。

あとは、治療には一見関係なさそうだが、芸術や音楽、ダンスなどの表現活動もアプリが提案してくれるとか。(←ここまでくると医師がアプリを処方するというより、アプリがAIのように自ら主体性を持って、アプリ自身が患者さんにこんなことしたらいいよーという提案をしてくる、といったスタンスになってくるのだが。)
またそれを鑑賞したり表現したりできる場や機会を作るとか。

だって、つくづく最近思うのだ。
人には絵を描いたり見たり、歌ったり楽器を奏でたり、踊ったり、舞踏を鑑賞したりするってことが本当に大切だということを。

それをしたからといって、例えばしていなかった人たちと比べて有意に血圧が下がるだとか、動脈硬化の進行を止められるだとかいうような目に見える変化はないのかもしれない。

しかし、毎日が薬や生活習慣、食生活の改善だけに明け暮れていたら、絶対行き詰まり、日々を、自分を、治療の意味を見失うと思うのだ。

人にはアプリという機械だけではなく、必ず人と人との出会いや対話やふれあいというものが必要であるから、
そういったものを繋ぐ役割がアプリで、あくまで1つのツール、補助であるという位置付けだ。

病気の治療になるだけでなくて、その人の毎日が少し楽しくなってもっとずっとよいものになっていく。

このアプリを使うことにより、病気の治療という、いわゆるマイナスからゼロへ、だけではなく、マイナスから人生の楽しさを味わえるようになるというプラスへと、大きく変えてゆける、そんなアプリなら...
トータルにその患者さんの毎日を良くしてくれるアプリだったら...
そんなアプリなら私は使いたいと思う。

ただの指導ツールだけだとつまらないから。

#シェア #アプリ #服薬指導 #食事指導 #生活習慣 #補助 #ツール #薬剤師 #つぶやき

いつも読んでくださりありがとうございます。サポートしてくださると励みになります⭐︎