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【ふるさと納税】あえて「返礼品なし!」のふるさと納税はいかがですか?

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令和3年の確定申告のため駆け込み節税策として「ふるさと納税」を検討されてる方も多いと思います。

今や10人に1人は取り組んでいると言われている「ふるさと納税」今回は、その歴史を振り返りつつ、本来あるべきふるさと納税について私なりの考え方をお話したいと思います。

みなさんは、どのような目的でふるさと納税に取り組んでいますか?
ご当地の魅力的な返礼品が目当てでしょうか?納税のメリットや節約のため?それとも、応援・支援したい地域や、思い出の故郷の力になりたい!という想いでしょうか?

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ふるさと納税は、ご自身が選んだ自治体に寄付(ふるさと納税)をした場合、寄付した金額の内2、000円を超える部分について、所得税と住民税が控除される制度です。
ここでは制度の説明は割愛させていただきますが、もしよろしければ当チャンネルで配信しています「ふるさと納税は節税にはなりません」もご覧いただければ幸いです。


さて、今や日本に浸透しているふるさと納税ですが、はじまりは2008年5月~と、その歴史はまだ13年ほどなんです。
きっかけは2006年、日本経済新聞に掲載された当時の福井県知事、西川一誠さんが書いた「故郷(ふるさと)寄付金控除」制度の導入を、という記事でした。

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記事の趣旨は「若者は進学や就職を機に大都市に行ってしまう。田舎はそれまで彼らを一生懸命教育する。つまり地方で出生してから、高校卒業まで地元で行政サービス受けて、進学などを機に大都市に出る。そのまま就職して大都市の自治体に納税する。このアンバランスな状況を税制で直したい」というものです。

確かにおっしゃるとおりです。ちなみにこの記事では返礼品の「返」の字も語られていません。この記事が前総理大臣である菅さんや他の政治家さんたちの関心を引きました

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そして、菅さんが官房長官だった時に「官僚の大反対」を押し切って立ち上げたのが、この「ふるさと納税」制度です。首相就任時の会見で「官房長官として地方の活性化に取り組んできました。何よりうれしかったのは26年間下がりっ放しだった、もう二度と上昇しないと言われていた地方の地価が昨年、27年ぶりに上昇に転じたことであります。」と誇らしげに語っていたのが印象的です。

ふるさと納税をキッカケに、地方の地価も上がって、外国人観光客も増えたそうですから、この実績に胸を張りたい気持ち、よく分かります。

ところで、日本は世界に比べて寄付がどれほど浸透しているのでしょうか。
キリスト教徒の多い西欧諸国やアメリカは、寄付は人々の日常といって良いほどに浸透しているのですが、日本は先進国の寄付額ランキングで最下位を記録するほど、寄付という文化に馴染みがないそうなんです。

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理由として考えられるのは、宗教的な考え、募金と称した詐欺や、寄付した先が本当に意義のある活動に使っているのか?などの疑念、そして税制の問題だと言われています。


ふるさと納税も、寄付ですが、制度が導入された当初は返礼品を出している自治体も少なくて、ほとんど寄付が集まらない状態でした。

この流れを変えたのが、2011年の東日本大震災。被災地をサポートしようと、ふるさと納税の認知度が大きく広がりはじめました。その後、さらに制度を普及させるため、各自治体の魅力的な返礼品を紹介する、ふるさと納税サイトが立ち上げられました。

寄付した額が、所得税や住民税から控除できるという税制的なメリットに加え、全国各地の素敵な返礼品がもらえる“お得な制度”という認識が広がり、今や国民にとってなじみ深いものになっています。

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ただ、それによって巻き起こったのが返礼品競争です。その土地土地のお肉や海産物、フルーツなどの名産品の返礼品は分かりますが、名産品とはとても言えないような、ギフト券や、海外製品のドライヤーなど、どんどんエスカレートしていったのも事実です。

ちなみに大手旅行会社が発行する旅行券やアマゾンギフト券は、返礼品として受け取った後に換金できることが問題になって今はないようです。

あとは、返礼品の中には写真と届いた内容が全然違う!詐欺レベル!と、問題になったこともあります。

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実際、ネットにアップされているそうした写真をいくつか拝見しましたが、たしかにこれが届いたら悲しいよね、と納得してしまったのですが…

ちょっと待ってください!これって、なんだか本来の「ふるさと納税」の目的とかけ離れていませんか?返礼品は、ふるさと納税の中に仕組まれている“制度”ではありません。客寄せパンダ的だったものが、いつしか主役になってしまったのです。


この流れに異を唱えたのが、まさに発案者の西川さんなんです。「本来の趣旨とは違う」と警鐘を鳴らしています。

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西川さんが考えるふるさと納税のあり方は、故郷への恩返しや地方財政への貢献です。返礼品はその呼び水ともいえますが、返礼品ありきのふるさと納税は、寄付の格差を生み出しかねません。

返礼品の有無やその良し悪しが、ふるさと納税する自治体選びの基準になっているのは、本来の趣旨からすれば違和感があります。

実際、そうした今の流れを変えたい、つまり返礼品なしのふるさと納税に取り組んでいる自治体もあります。

そうした中、これ良いな!と思ったのが

「ふるさとチョイスの災害支援サイト」

天災や災害は毎年各所で発生しています。今年も前代未聞の大豪雨、洪水が全国各地で起きたことは皆さんもご存知かと思います。被災地では、いまだに復旧のめどが立たず、避難所での生活を余儀なくされている方々がたくさんいらっしゃいます。
私自身、SNSに流れてきた、山の上からの大洪水で家が流されていく衝撃的な映像に、大きなショックを受けました。

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このサイトでは、ふるさと納税で災害支援をという取り組みで、被害にあわれた自治体に、ふるさと納税することができます。天災は今後も起こるので、残念ながらこの募集も増えていくでしょう。

このサイトを利用してのメリットは、手数料なしで速やかに、そしてダイレクトに被災された自治体に寄付金が届くことです。もちろん、災害支援ですから原則として返礼品はありません。

魅力的な返礼品の陰に隠れて今まで気づきませんでしたが、公益性の高いふるさと納税の取り組みはたくさんあります。

たとえば、罪のない動物たちのさつ処分を無くす活動を応援する目的で活動されている

「保護犬支援」

私はワンちゃんを飼っていますので、この支援に共感します。

また厳しい生活環境の子供たちに食やあたたかな居場所を届け、支える活動

「孤児支援」

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「生活困窮の状況にある世帯や子供支援」

「こどもの教育環境づくりを支援するもの」

これ以外にも、世のため、人のためのふるさと納税はたくさんあります。
ごくまれに「納税してもどんな使い方してるか分からない!だから納税イヤ!」と言う方もいますが、ふるさと納税はその使いみちが指定できるのが良いですよね。

さて、ここで正直に告白します。

私もふるさと納税と聞くと、美味しいものが届いて、税金控除もあって、支払いに応じてポイントも貯まって節約にもなり、2000円の負担で、メチャお得じゃん!という印象をもっていました。

それが今回、ふるさと納税の歴史を振り返ったときに、少し違和感を覚えたんです。
もちろん、返礼品ありきのふるさと納税を否定する気は全くありません。人それぞれふるさと納税の取り組む目的は異なって当然ですし、寄付することによって日常品が節約できてポイントも貯まれば、まさに二重取り。それをメリットと考えるのは自由だと思います。

ただ、寄付は、そもそも見返りを求めないのが本来の姿だとも思うんです。綺麗事だと言われることを承知で言えば、私は発案者の西川さんの気持ちに寄り添いたいな、と思っています。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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