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ドラマ「大奥」から、家格について

ドラマ「大奥」のちょっとしたネタバレになるかもしれません。引用は話の一部分を切り取っているだけですが気になる人がいれば読まないでください。






以前、江戸時代と家格について、こんなつぶやきをしたけれど、

今NHKで放送されている、大奥2を見てて、井伊直弼が阿部正弘に「阿部ごときが自分の家格をわきまえろ」みたいなことを言っていて、やっぱり、江戸時代という時代を語るのに「家格」というものはついてくるのだなと感じてしまった。

ちょっと調べたところ、阿部家と井伊家は関ヶ原以前から従う譜代の家格で、ともに老中になることができる家格だけれど、井伊家は名誉職的な意味合いが強いが最高職である大老になることができる4家の中の一つであるため、家格は井伊家のほうがちょっと上だそうだ。

ただ、ふと思うけれど、阿部家は家康が小さいときから使えた最古参の家臣であったのに対して、大河ドラマ「直虎」を思い出すと井伊家は今川滅亡後、徳川に従った家で時に松平とも敵対してた遠江の零細大名だったのような。関ヶ原で島津に立ち向かったことが、200年後も偉そうにできる根拠になるんだろうか?(それだけでもないとは思うが。)

そういう意味では、家定の死に関して、篤胤が直弼を問い詰めるシーンは因縁めいている。200年前、関ヶ原で徳川を勝利に導いたものの子孫が、関ヶ原に敗れたものの子孫に徳川家への忠義を訴える。それも直接戦ったものの同士の子孫に当たるのだから、因縁が深い。

まあ、実際の井伊直弼は、生まれたときは井伊家の14男で家を継げたのは本当にラッキーでしかなかったから、家格をどうこう思っていたかはわからない。多分もっとドライしゃないのかなと思う。

そういえば、徳川慶喜も御台所の篤胤にむかって外様大名の傍流の血筋で良くもそんなところに座っているな(意訳)とセリフがあった。慶喜は将軍家斉の血をひく御三家プラス母方は皇族の血という超血統優良の血筋だ。ここでも家格の話が背景に出てきた。

それにしても、大奥2は徳川治済、徳川家慶と悪役の造形がずいぶんと濃い。徳川慶喜も以前の大河ドラマ「青天を衝け」ではずいぶんいい感じに描かれていたが、今回の慶喜は「慇懃無礼が着物を着て歩いているよう」と、大分悪役感がある。けれど、それはそれで面白い。

徳川将軍はもちろん、阿部正弘、井伊直弼、篤胤、みなその出自や生家によって人生がすくなからず宿命づけられている。江戸時代とはそういう時代だったということが「大奥」のテーマの一つなのかもしれない。残り少なくなってきてはいるが、登場人物達の家格に注目して見てみるのも面白いかもしれない。

※参考

一番初めに述べた家格について井伊直弼が阿部正弘にものを言うシーンは上記HPの動画タブの「いい声過ぎる井伊直弼!」という動画で見ることが出来る。(この直弼、安政の大獄が始まったときは「俺のターン!」とか言うんじゃないかと、そしたら、杉下がよみがえって「俺のターン!」とか言って、変なカードゲームはじめるじゃないかと、おかしな妄想をしてしまった。)

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