いふ

周りが気忙しくなってきた
年末だなぁと感じる
なんで普段からさっさと片づけとかないのかな

なんて10年来のベースの先生と話した
たぶん大半の人に言いでもしたら
外気と同じくらい冷たい空気にしてしまうから

嘘の表記をしたくなくて
プロフィール欄のMBTIをちょこちょこ替えていたけど
メンタルが回復したのか結局ISTPに戻ってきた

クリスマスの夜の大阪駅を歩いた
喫煙所がないから出口付近まで
加熱式は水蒸気だから許してくれないかな

元気な子供がヨドバシカメラに向かって走っていく
音楽を聴いていたから聞こえなかったけど
僕の隣を横切ってすぐ引き返していった

人も多く吸えそうにないから引き返すと
さっきの子供と目が合った
怖がっていた

178cmの黒いダウン、30過ぎのおっさんだ
別にそこらへんにたくさんいるのに
その男の子は明らかに僕の目を恐れていた

怖がった理由を即座に感じた
彼は何かしら嘘をついている
クリスマスの夜の大阪駅で

おもちゃを買ってもらうんだろう
僕もよく買ってもらったなぁ
楽しい楽しい夜のはずなのに

不審に思っただろう母親の視線
それを無視してサッと通り過ぎる
あなたは嘘をつかれているよ、と

僕の目は嫌でも人の誤魔化しを洞察してしまう
だから大多数の人が集まる場所が嫌いだ
女連れの男の目を見るとその先が見えるから

大学生の頃は眼鏡を外して裸眼で街を歩いた
対人恐怖症だったし東京はやたら人が多い
嘘で固めた目を誰かと合わせるのが怖かった

嘘をつき続けてきたからこそ見える
見えるから見られたくない人に怖がられて
その背けられた視線の先の隣人を憂いて

暇な年末


貯金箱に全額入れて保護猫の会に寄付します