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どうも、かわむらです。
どんどん年末感が増していく今日この頃、テレビをつければクリスマスのCMがちらほら。
クリスマスは大切な人と過ごさなきゃいけない感がなんとなくありますよね。
かわむらは奇跡でも起こらない限り今年も1人で過ごすことになるでしょう。
思い返せばかわむらは家族以外で大切な人と過ごしたクリスマスは人生で一度きりしかないです。
しかもその大切な人は女性です。
あれ?こいつゲイじゃなかったっけ?
と一度でもかわむらの記事を見たことがある鋭い方なら思うかもしれませんが、間違いなく女性です。
というわけで、今日はクリスマスを一緒に過ごした唯一の人とのお話をしたいと思います。
あ、先にお伝えします。
タイトル通りいい話じゃないです。ご了承ください。
一つだけお願いがあります。この記事のことは嫌いでも、かわむらのことは嫌いにならないでくださいッ!
それでははじめます。
僕とその人(Y)との出会いは、大学生の時にしていたバイトだ。
スーパーのレジ打ちのバイトで、僕が大学3年生の春にバイトを始めた時にYはすでにバイト古参メンバーの1人で、年齢は同い年とはいえ大先輩という感じだった。
それに同い年のバイトが他にも何人かいたから、初めて出会った時からビビッときたとかうんたらかんたら素敵なものは全くなく、ただのバイトメンバーの1人って感じだった。
というか僕はゲイだから意識するわけがないか。
自分で言うのもなんだが、レジ打ちと接客が性に合っていたのか、仕事を覚えるのがやたら早く、大型ルーキーが来たみたいな感じになり、バイトメンバーからすぐ受け入れてもらえた。
大学生だから若くて体力が無限にあったから、車持ってるやつに乗っけてもらいバイト終わりにみんなでご飯食べに行って、それからレイトショー観に行って、気づいたら帰りの車内で爆睡してみんなで朝迎えたり…。
今じゃ考えられない時間の使い方してたけど、おかげさまですぐ馴染むことが出来たし、大先輩として恐れ多かったYともいつしか同級生らしく普通に話せるようになっていた。
ある時バイトメンバーの一個上の先輩同士が付き合うことになった。
最初はバイトメンバーみんなで良かったねーなんて言ってたけど、実は女の方が社員と浮気していたらしく、男の方がブチギレ。
そっからその2人がシフト被っているだけでも2人をとりまく空気が終わってるのに、社員までいた時にはもう地獄で、関係ない他のバイトが気を使うという状況が多々発生した。
特に僕とYがよく被害を受けていたから、「今日のシフト3人揃ってたから最低だったね笑」なんてバイト終わりに2人で愚痴大会を何度も開催した。
そして問題の元恋人先輩2人が大学卒業→就職のためバイトも卒業し、僕とYの共通の話題である要因がいなくなったことで、ひたすら愚痴を言い合うだけだった関係が、自然と今日大学であった面白い話だとかなんでもないことを話すようになったり、お互い邦ロックバンド全般が好きだと知ってからは最近ハマっている曲をオススメしあったり、CDの貸し借りなんかもしあうようになった。
それだけじゃなく2人きりで何度も出かけた。
側から見たら付き合っている2人だと思われてもおかしくないくらいに会っていた。
そんな関係がだらだらと続き、僕らも大学卒業を機にバイトを辞めることになった。
バイト辞めてからも頻繁に会っていた。
なんならバイトしてた時よりも会うようになったかもしれない。
別に隠してた訳ではなかったけど、バイトしていた時は他のバイトメンバーに2人で遊びに行ってることは言ってなかった。
僕とYが2人でよく話すようになったきっかけが、元カップル同士の先輩の愚痴大会だったからか、バイトメンバーに色々聞かれたりするのめんどくさい気がして、言わなくてもいいやと思っていた。
けどバイトを辞めたことで、心情的には堂々と会うことが出来たのは間違いなかった。
その時から
「あれ?これって付き合えるやつじゃないか?」
と意識し始めるようになった。
"そいえばYもずっと恋人がいないって言ってたな。"
"Yとならずっと一緒にいられるな。"
"ん、なんでこんなにYを意識しているんだ?"
"俺はゲイだよな。"
"でも付き合うことができたら、もう他人から「好きな人いないの?」とかめんどくさいこと聞かれなくて済むな。"
"いやいや、ゲイ隠しのために付き合うみたいに一瞬思ってしまった。それはあかんやろ。"
こんな感じで自分がどうしたいのか訳がわからなくなった。
でも、これだけは確かだった。
Yといると楽しい。
Yと一緒にいたい。
社会人1年目の夏、地元の花火大会に僕とYはいた。
バイトしていた頃は、花火大会の日は基本的にお互いバイトしていたから、何気に花火を2人で見るのははじめてだった。
お互いに着慣れない浴衣を着て、少し照れ臭かった。
普段だったら花火は綺麗だなってぼーっと見ているのに、今年は全然花火が映像として頭に入ってこなかった。
花火の打ち上げが終わったところとか、帰りの道中とかいいタイミングなんて山ほどあるのに、いても立ってもいられず花火が打ち上がってる時に急に告白した。
いま⁈ってめちゃくちゃ笑われたけど、僕らは付き合うことになった。
人生ではじめて彼女が出来た。
その日は花火大会が終わったらそれぞれの家にすぐ帰ったけど、僕は嬉しさのあまり眠ることが出来ず、真夜中に目的地を決めることなくドライブした。
地球上で今1番幸せな人間は俺だと思った。
早速ありとあらゆる友達に報告し、それはそれは祝福されましたよ。
ついにかわむらに彼女が出来たと。
てっきり男が好きなんかって思ってたから安心したよなんて言われた。
危うく俺もそうだと思ってたって言いそうになった。
でもこれでゲイ疑惑を持たれることもない。
数年前に突きつけられた現実、
"男なのに男が好きなおかしな人"
ではないと。
僕は普通の人になれたんだ。
Yと会えない日は毎日LINEして、次いつ会おうとかやりとりして、付き合ってるんだから苗字で呼ぶのやめようよって言われ、それもそうかと思いお互いに下の名前で呼ぶようになり、なんでもないことでも自分のことを好きでいてくれてるって伝わってきて、これが幸せかぁと思った。
僕がディズニーランドに行ったことがないって話を付き合う前にしたことがあって、Yはディズニーガチ勢だったからいつか案内してあげるって言ってくれてたから、Yの誕生日に「そいえば前に案内してくれるって言ってたよね?笑」とディズニーのチケットをプレゼントした。
誕生日祝うの下手くそかと笑われたけど、すごく喜んでもらえて、クリスマス前に2人でディズニーに行った。
あろうことかなぜか僕は人生初の生ミニーちゃんにテンション上がってしまい、
「ミニーちゃんやん!!!うわ!まじでミニーちゃんやん!!!かわいい!」
と叫んでたら、うるせえと思われたのか嫉妬したのかちょっと距離をとられたのもいい思い出。
また来年も来ようねってディズニーを後にした。
でも、これが最初で最後だった。
社会人2年目、できる仕事が増えて1年目と比べてめちゃくちゃ忙しくなった。
この頃から仕事のノルマや人間関係などで自分のメンタルが不安定になっていた。
Yとは基本毎日LINEはしてたけど、返信できる時間が遅くなり、会話の数は減っていた。
「ごめん遅くなって!今仕事終わった!」
「大丈夫だよー、ようくんお疲れ。」
なんでもない会話をし、Yがいるから大丈夫だと思っていた。
付き合って半年以上が過ぎ、当時の職場の男の先輩から
「そろそろヤッた?」
と、僕が女だったら普通にセクハラだと訴えたくなるようなことを聞かれた。
「まぁ、それなりに…笑」
と、やんわり嘘をついた。
自分でも薄々考えてはいた。
付き合って半年以上経っているのにまだ男女のそういうことしてないのはおかしいよなって。
別に性欲がない訳じゃないので、家で寝る前にスマホでゲイビを見てそれなりに1人でしてた。
それでも実際会えば手を繋ぐことは出来ても、キスをしたいとか、ましてやヤリたいなんて全く思えなかった。
Yのことが好きなはずなのに。
好きだったらそういうこともできそうな気がするのに。
気づいたらそのことでまたプレッシャーを感じていた。
今日も出来なかった。
次こそはと思うけど。
今日も出来なかった。を繰り返した。
Y自身も奥手だったから、彼女から求めてくることはなかった。
今となってはわからないがずっと覚悟して待っていたのかもしれない。
いっそのことYからめちゃくちゃにされたほうが楽なのにと最低なことを考えた。
出来ないことへのプレッシャーだけでなく、会えば常にそういうことを考えてしまっている性欲モンスターみたいな自分が気持ち悪くなってきた。
やっぱり普通にはなれないんだ。
と、自分が嫌になった。
好きになったばかりの頃みたいに、純粋に一緒にいて楽しいなって思いたいのに、次第にそう思えなくなってきた。
毎日続いていたLINEが1日おき、2日おき、3日おきとポツポツと途絶えていた。
ある時Yから
「借りてたCD、ずっと借りたまんまだと悪いから返したいな」
とLINEが来た。
Yなりの会いたいっていう合図だったと思う。
「俺も話したいことあるから会おうか」
と返信した。
2人が学生時代に愚痴を言い合ってた思い出のファミレスに集合した。
「ずっと借りたままでごめんね」
とYが手渡してくれたbacknumberのアルバム。
最後に聴いたのが春にYの車で出かけた時に車の中で聴いたっきり貸しっぱなしにしてたそのアルバムを目の前にして、来月にはもう付き合って1年が経つわけだから、全然会ってなかったことを思い知らされた。
「店入って話そうか」
と僕が言うと、Yはもう察していたのか
「ううん、いいよここで」
と言った。
車の前で別れを切り出した。
僕はひたすらに謝った。
こんなわがままな僕に、最低な僕にYは、
「今までありがとう。」
と言ってくれた。
僕は最低な彼氏だったけど、Yは僕にとって最高の彼女でした。
好きになってくれてありがとう。
やっぱり僕は男が好きだから間違いなくゲイなんだ。
どんなに頑張っても普通にはなれないんだと現実を突きつけられたから、別れてからしばらくしてはじめてゲイのマッチングアプリをインストールした。
それから、確か3歳くらい年上の人と会って初体験をすませた。
その人とはそれっきりだったけど、その後吹っ切れたように何人もの人とそういうことをした。
中には僕のことをすごく好いてくれた人もいたけど、僕には誰かを好きになる自信がもうなかった。
人を好きになったら自分も相手も苦しめてしまうような気がするから、人を好きになるのが怖かった。
別れてしばらく経ってから友達に
「誰か好きな人いないの?」
とか、心配されるけどさ、
そりゃ今でもふと誰かを好きになりたいなと思う。
テレビの向こう側にいる推しに抱く好きとは全くの別物で、ちゃんとお互いが好き同士でいられる関係の人といられたらいいのになと心の奥深くではそう思っていて、でも、人を好きになるってどうしたらいいのか忘れた自分がいる。
好きになる気持ちを封印し過ぎた。
男なのに男が好きなんておかしい。
それはもうしょうがないとして、
でも、性別関係なく人を好きになるっていう普通のことを忘れるくらいおかしな人になってしまった。
人として終わってる。最低だ。
かなり長文になりました。
元カノとの思い出でした。
普段しょうもないことばっかり言ってるので、久々にここまで暗い話をしたような気がしますが、どちらかというとこんな感じで闇を抱えてる方が本来のかわむらなのかもしれません。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
以上、かわむらでした。
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