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呪い 

 自分の存在は呪い、厄災、災厄、この世に存在してはならない不純物、異物だと考える。

 他の人に散々迷惑掛けて、人の時間を奪って壊したんだから当たり前か。

 だから自分みたいな人間は次の失敗で死ぬしかない。
 死ぬ以外に選択肢なんてない。
 死ぬ以外なんてありえない。
 死ぬべきだ。

 完璧な人間なんていない。

 だけど自分は人間性が壊れているから他の人に散々迷惑かけた。

 だから失敗なんてものは自分には許されない。
 許さないって。
 許せないって。
 それはもうありえないって。

 どうしても自分は許されない。
 どうしても自分は許さない。

 自分への戒め、叱責、呪い。

 何かの欠けた音すら許さない。

 だって、また失敗して誰かに迷惑かけた。

 その罪は償う必要がある。
 その罪は贖う必要がある。

 自分の罪だけは償うことと贖うことは別だ。

 じゃないと自分みたいな人間はお目溢しに生きている事が許されない。

 こんな自分なんて知ってもらうことも愛されることも許されない。

 自分は他の人に散々迷惑掛けて時間を奪った。

 その罪は罰せられるべきだ。

 そしてそれは死をもって償うしかない。

 自分みたいな人間はもう死ぬこと以外にこれ以上罪を償うことも贖う方法が思いつかない。

 それ以外で私は罰せられた。
 罰を受けたからだ。

 だからそれは生きて罰を受ける以外の方法しかない。

 生きている事がおぞましいという答え以外に思いつかないくらいに。

 だけどこの死に誰も知ってはいけない。

 だけど知ってほしい。
 知ることは傲慢だ。
 それは罪だ。
 自分以外の人間は誰も悪くない。
 悪いのは自分。
 自分以外の人間は何も悪くない。
 だからこんな醜い欲望の自分は知ってはいけない。
 誰にも知られてはいけない。ありえない。
 あってはならない。それはまた自分の罪だ。
 
 罪は自分自身の存在。

 自分を知ってほしいと思う考えは傲慢で強欲で罪だ。

 だから自分は消えるか死ぬかの二択しか残されていない。

 将来、未来の自分の可能性は失敗なんてありえない。
 あってはならない罪。だけどその罪は償えないし贖えないからもし起きたら死ぬか消えるかのどっちかしかない。

 生きている事が罪だから生きていた痕跡が消えれば自分自身の罪の全部の根源が消える。

 自分には消えるか死ぬかの二択しか残されていない。

 それ以外の選択肢は全部消えた。失くなった。壊れた。

 未練がある。

 未練があるけど死ぬしかない。

 未練とかいっぱいあるけど死ぬしかない。

 もうその選択肢以外で生きている事が許されない。

 未練しかないけど死ぬしかない。


 自分の死か、自分の存在の消失。

 それ以外で選択肢なんてない。

 だってそれ以外の選択肢はもう全部やったから。

 同じ罪を償ってもまたやったから。やってしまったから。

 だから同じ方法で罪を償うことも贖うことも許されない。

 自分の存在は死か自分の意味消失以外での完結はもう残ってない。

 しかない。

 こんな人間生きていたことがお目溢しに過ぎないから。

 自分の生きたいという願いは、傲慢なんだ。
 だから誰かに迷惑が掛かってこうなった。

 この罪は死か自分の意味消失をもって償う方法が思いつかない。

 思いつかない。

 

 

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