初恋という狂気の日々 第四十八章〜第四十九章

第四十八章 色恋沙汰は突然に

前章から数日が経ち、天狗は私にきちんと謝罪をして ゴタゴタが一段落して落ち着いてきた頃だった。

その日の帰り 私はとりあえず 絢辻さんに無事 解決したコトを伝えようと思い、下駄箱で話しかけた。
「そういえば 前のゴタゴタは向こうが謝ってくれたし、解決したよ 色々気遣ってくれてありがとう」

絢辻さんはキョトンとした顔で反応する
「ん?えぇ? もう? 早くない?」
私が謝ってくれたから解決した旨を伝えると、彼女は少し引いたように驚く「えっ……謝って許せるんだ………」
私がウンと頷くと、彼女は続ける「あんたねぇ…心が広すぎだよ また変なコトに巻き込まれないようにしなよ?詳しい事は今度 聞くわ」
そうして その日は終わった。 

次の日 クラスに入ると、何やらみんなが噂で盛り上がっている雰囲気だった。


私もすかさず 周りの友人に問い合わせてみると、噂は 温厚さんの恋愛事情についてだった。

具体的には”温厚さんが他クラスの男子と楽しそうに一緒に帰っている場面に出くわした“という 内容だった。私はそれを聞いて❨温厚さんにも 色恋沙汰があるのは意外だな 気になるから詞にも聞いてみよう❩ そう考えた。

そうして 私は体育の時間 温厚さんが近くにいたので、すかさず探りを入れた「そーいえば あの噂はどうなん?w」

そうすると 温厚さんは少し焦った反応をする「えっ? それダイレクトに今聞く? そういう噂 あんま興味ないタイプだと思っていたのに ただの噂だからどうでもいいでしょ?」

私はそこで食い下がらず「ということは 否定しないと……興味深い」

そう発言すると温厚さんから、思わぬカウンターを喰らった 「それ言ったら 詞ちゃんとの関係 こっちも深堀りするだけだよ?w 前の放課後に 「詞は一番大切な……」とか言っていた癖にw」

それを聞いて、私は慌てて誤魔化す「えっ?なんだよ それ…… 知らん知らんw  それに詞との関係も何にもねーわ」

温厚さんからのカウンターは止まらない「へぇ 何もない…………ですか  噂はお互い気になるものってことにしとくのが平和じゃない?」

私はこれ以上 カウンターされたくなかったので、従うしかなかった、しかし内心で❨コレは詞に聞くしかないな……❩と考えていた。

第四十九章 どうしてそうなる

そうして その日の放課後 下駄箱で絢辻さんを見つけると、私はすかさず 温厚さんの話題を出した。
「なぁ詞(絢辻さん) 温厚の色恋沙汰の噂 知ってる?」

そうすると 彼女は驚く「やっぱり そっちでも噂になってるんだ!逆に私が本当かどうか知りたいくらいだよw」 

私もその発言を聞いてびっくりする「えっ? お前も知らんのかーいw  何だよ てっきり同じ部活の詞なら知っていると思ったんだがなぁ……」

絢辻さんは申し訳なさそうに話す「ごめん 情弱で
でも逆にアンタ 同じクラスなんだから情報 何かしらないの?」 
私は食い気味で返す「いや それが本人にも探り入れたんだけど、何も答えてくれなくてさぁ 何かわかったら教えてくれや」

絢辻さんは少しにやりと笑う 「へぇ そんなに温厚ちゃんの恋愛事情 気になるんだぁ     さては温厚のコト好きだな?」

私は「何故にそうなる」と反論する 

絢辻さんは相変わらずニヤニヤした表情で「えー だってよく話題に出るし よく話してるじゃん?  それでいて顔も可愛いし優しい そりゃ狙っちゃうよねw  無理して否定しなくても良いんだよ?」

私は困惑しつつ 「何を言ってるのやら……」と呟き その日は終わった。

この記事の時点での時系列 中学3年生 

秋 出会って五年以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?