初恋という狂気の日々 第四十二章〜四十三章

第四十二章 葛藤は繰り返す


 体育大会 残りの時間 絶望の気持ちに満ち溢れて過ごす訳にもいかないので、私はクラスの友人Aと喋って気持ちを紛らわすことにした。

最初は最近見た映画やドラマなど無難な話題から始まったのだが、やはり思春期なので恋愛の話が出てくる。 
私は❨お願いだから 今の精神状態で私にその話題を聞かないでくれ……❩と願いつつ 話に参加していた。

しかしながら やはり私にも流れで聞いてくる。
私は思わず 「え?あぁ…うん…好きな人ねぇ…いたら……ねぇ」と素で絶望状態の反応が出てしまった。

友人は私の反応に不思議そうだ。「てっきりお前 美人さんが好きだと思っていたけど、いないんだな 意外だよ」
私は「えっ?」と聞き返すと友人Aは話を続ける
「いや お前と美人さん よく喋ってるだろ? 修学旅行の時とかスゲー仲良さそうだったし………何なら 向こうも満更でもないような感じがするんだけど

私は思わず笑い出す 「いやいやw さすがに都合良く解釈し過ぎでしょ 私に好きな人がいないのは そうとして、美人さんが満更でもないは絶対ない


友人は納得いかなそうに話す「そうか? お前と喋る時と他の男子と話す時で 声のトーンとかリアクションが全然違う気がするけど…… お前の時はより近しい感じでリアクションが大きい」

私は否定する「うーんまぁ 仮にそうだとしても、満更でもない は早計でしょ あんな綺麗な人がよりによって私はあり得ない話過ぎるw」

友人は「うーん ありそうなんだけどなぁ」と残念そうな反応をして、この話題は終わった。 

しかしながら 私の心では❨たしかに美人さんと話すと楽しいのは確かなんよな…………やっぱり気になってるのかな、、、 けど前にもこんなコトあったけど、、また心が揺らぐのは…さすがに……けれども絢辻さんの好きな人が本当にあの人だとしたら……❩  そんな前と似た葛藤がよぎるのだった。

第四十三章 娘にしたい 姉にしたい

 そうして閉会式の時間となった。

私は“満更でもない”発言を気にしつつも、普段と変わらない雰囲気で美人さんと話す

そうしていると、管理者側にいる 絢辻さんの話題が出たので、思わず 私は聞いてみる「そういや 詞って好きな人いるんかな?」

美人さんは笑いながら話す 「えー 聞いたこと無いよ〜w ってかそれこそ テツバド(私)の方が知ってるんじゃないの?w」 

私は苦笑いしつつ はぐらかす「いやいや 知らんよ」

そうして 先生にバレない程度でお互い喋っていると時間は忘れるほど楽しかった。
しかし この時 やはり美人さんでは絢辻さんと違ってやはり何かが足りないと感じるのである。  しかしそれが何かはわからない  けれども心の揺らぎは揺らぎのままで “好きな人が変わる” とまではいかなかった

そんなこんなで閉会式が終わり、待機列で暇をしていると、いつの間にか 絢辻さんが近くに来ていた。

彼女は笑顔で聞いてくる「何々? 二人で楽しそうに話していて〜?w」

私は思わず焦る ❨さっきまで絢辻さんの好きな人の話をしていたとかバレたら……大変なことになるなぁ…❩

美人さんが上手く対応する「いや〜詞ちゃんが頑張って凄いみたいな話だよ〜 詞ちゃん お疲れ様」

私も続ける「お疲れ様」

絢辻さんは笑い出す 「またまた〜 でも二人ともありがとうね 美人ちゃんみたいな綺麗な子に言われると、癒やされるわ〜」 恐らく これはお世辞ではなく本心だ

その発言に、美人さんも少し遠慮しつつ笑い出す

私が思わず 「美人は見た目だけじゃなくて、中身も綺麗だろ」とツッコミを入れる。 

絢辻さんがすかさず反応 「たしかにね〜〜美人ちゃんは見た目も中身も綺麗で素敵  けどアンタが言うとセクハラになるでしょが!」と軽く私の腹を叩く

私は「イタッ ごめんなさい…」とリアクションを取ると 美人さんは笑っていた。

絢辻さんは続けて私を説教する(勿論 冗談交じりで)「アンタねぇ 美人ちゃんが優しいから許してくれてるだけ だからね 立場をわきまえなさいよ? 」

私は反省する(本気ではない) 「はい……」

そうすると美人さんは「二人とも面白い 前から思っていたけど夫婦みたい というか夫婦漫才みたいww」とツボっていた。

絢辻さんと私は困惑する 「えっ?」 

しかし絢辻さんはすかさず 私に怒る(本気ではない)「アンタが変なこと言うからでしょが」今度は軽く肩を叩く そこで私が痛がるフリをしてると 

絢辻さんが喋りだした「夫婦どうこうは置いといて 美人ちゃんみたいな娘が欲しいわ〜〜 こんな綺麗で優しい娘がいたら何て幸せなんだろう」

私もそれを聞いた時❨確かに…癒やされそうだな❩と共感していた

それを聞いた美人さんも「それを言ったら 私も詞ちゃんみたいな 優しくて頭が良くて、しっかりしてるお姉ちゃんが欲しかった〜」言い出した

私はそれに対して❨確かに…わかるかも、、、でも私の理想としては絢辻さんは姉より 嫁さんに……❩と心の中で言っていた。
私はそんな感じで楽しくしていると、自然と絢辻さんの好きな人やさっきまで私が葛藤していたことも忘れていた

この記事の時点での時系列 中学3年生 夏 出会って五年以上


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