作曲・編曲74

やはり昨日も触れましたが、冨田恵一さんといえばこの曲は外せません。

もちろんその曲とは「エイリアンズ」です。

ただアレンジ自体は異色ですよね。頻繁なコードチェンジは相変わらずですが。

個人的にはあまりコードチェンジの多い曲は好きではないんですよね。昔は演奏もやっていたので、頻繁にコードチェンジされると、アドリブの自由度は低くなるんですよね。

Coltraneの曲に周りが付いていけない、というようなもので、天才ならこなせるんでしょうが、やはりこういう曲はハードです。

まあ最近はパソコンいじるのと歌うたうだけなので、そんなこと考えても意味もないのですが(笑)。

もちろん当たり前ですが、アコギが中心の編曲です。これはグループの特性上当然でしょう。

ただこの曲、ストリングス入っていないんですよね。で代わりに金管使ってます。

しかも薄目でパッド的に鳴らしています。

後、明確な「シンセ音」が鳴っているんですよね。

冨田恵一さんの代表的な編曲作品であるのに、冨田恵一さんらしくない編曲です。

ただ確かに効果的なんですよね。曲調や歌い方からすると、この曲でストリングスを使うとアンバランスになります。

けだるい感じのする曲なので、ストリングスをかっちり鳴らすと違和感が出てくるでしょう。

ただだからと言って、金管を使ってもアンバランスにはなりやすい、というより更に違和感が出るのが普通です。

でも敢えて使っているところで逆に効果を出しているんですよね。薄目に使うことにより、違和感を上手く抑えながら、他の曲とは違う形に仕上げている。

なかなかこれは出来ないことだと感じています。

で、シンセ音をまた上手く使っているんですよね。曲のけだるさを引き立てるような柔らかい音が、曲を更に「住所不詳」的な印象にしているんですよね。

MISIAさんの「Everything」や中島美嘉さんの「STARS」のようなゴージャスさとは真逆な編曲ですが、やはりこの曲で同じようなアレンジをしたら、何これ、になるでしょうからね。

やはり編曲者の良しあし、こういうところで決まるんですよね。上手い、としかいいようのない編曲だと思います。

「Everything」や「STARS」の方が目立つし、いかにも「優れた編曲」感がある作品なのですが、こういう何気なく聴かせながら、実は凝っている編曲の味わいも捨てがたいですね。

やはりこの方、凄いですね。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。