晴香

心に響いた本と音楽について 徒然なるままに綴っています

晴香

心に響いた本と音楽について 徒然なるままに綴っています

最近の記事

蜜蜂と遠雷/恩田 陸 読書徒然vol.15

ピアノコンクールを舞台に描かれる物語 音楽が好きな人にもぜひ読んで欲しい 読み終えた後 コンテストの出場者、1人1人の名前に すごく意味が込められてるんだなあと感じた 出場者だけでなく、その周りにいる人達のことも すごく丁寧に描かれている 出場者はそれぞれ孤独なんだけど、 それを支えてくれる存在がいて救われる 自分にとって音楽とは何かをコンテストの中で 探し続けていて 出場者との心の交流や他の出場者の演奏に 触れる中でみつかるものもあって 特に明夜ちゃんと明石(あかし)さ

    • よはひ/いしいしんじ 読書徒然vol.14

      2017.5.15 ピッピという男の子からはじまる 様々な人、ものの「よはひ」の「おはなし」 「よはひ」とは齢(よわい)のこと 読み進めていけばいくほど どれが「ほんとう」・「いま」で どれが「おはなし」なのか のみ込まれてゆく、わからなくなる だけど全てが繋がりがあるのだと感じる ふしぎで、哀しく、あたたかい 個人的お気に入りは  『三千三百ページのノート』 ノートの齢が描かれた物語 ノートからの視点の描写が凄まじく、 自分がノートになったかのように感じながら 読み進め

      • 「黒い鳥の本」/文 石井ゆかり・絵 沙羅 読書徒然vol.13

        2017.2.15 石井ゆかりさんのビブリオマンシー本の 四作目 帯にかかれていた 『「明るさ」「正しさ」に疲れた心に。』 すごくドキッとした 本文もすごくドキッとさせられるし 考えさせられた 黒い、汚いといわれる感情を否定しない言葉に 救われた 本文に添えられている版画風の絵もとてもステキ どうにもこうにも前向きになれない時に 寄り添ってくれるような1冊 プレゼント企画に応募して、何冊か選んでた 中で届いた「黒い鳥の本」 すごく宝物になった思い出深い1冊 -----

        • 「どんぐり姉妹」/よしもと ばなな 読書徒然vol.12

          2017.1.22 どん子ちゃんとぐり子ちゃん姉妹の物語 姉妹で色んな人達の相談にメールで答える ボランティアをしていた 姉は姉の、妹は妹の 強み・得意なことをいかして答えていく ただし、どんなに同じ人から同じ日に 何通もメールがきたとしても どんぐり姉妹は1日1通しか返さない 2人はすごくすごく大切な存在を失うという 体験を何度かしていて 2人の名前の由来のシーン 文章を読んでると映像が鮮明に浮かんで ふふってなって、すごく愛しい想いが 込められていて、泣いてしまった 妹

        蜜蜂と遠雷/恩田 陸 読書徒然vol.15

        • よはひ/いしいしんじ 読書徒然vol.14

        • 「黒い鳥の本」/文 石井ゆかり・絵 沙羅 読書徒然vol.13

        • 「どんぐり姉妹」/よしもと ばなな 読書徒然vol.12

          ハゴロモ/よしもと ばなな 読書徒然vol.11

          2016.12.21 ある【別れ】をきっかけに都会からふるさとへ 戻った女性の物語 日常の中にある、ふっと見逃してしまうような 出来事とか優しいコトバ 随所におりこまれていて だけど通り過ぎる感じではなく ふわあっと染み込んでくるような 辛さや苦しみを知ったからこその綺麗な 物語に感じた そしてすごくすごく優しい 著者のよしもとばななさん すごく辛く苦しい体験をされたのでは ないかなあって感じた 実際に体験したからこそ 書ける文章なのではないかなあって 今読めてよかった

          ハゴロモ/よしもと ばなな 読書徒然vol.11

          「ナミヤ雑貨店の奇蹟」/東野圭吾 読書徒然vol.10

          悩む時 実は自分自身の中にもう答えや どうしたいかは出てて だけどそれを選択した時に出現してくる困難や 恐怖につぶされてしまいそうになることがあって そんな1人では どうしようもなくなっちゃいそうな時に この小説で起きる《奇蹟》みたいなことが あったら救われるだろうなあと感じた そして自分自身の中の ごっちゃになってしまった気持ちを 誰かに伝えようとした時 内側から外側に出した時 自分自身の中に答えはあったんだと気付くことが できる 最後は自分自身で答えを 出さなきゃいけ

          「ナミヤ雑貨店の奇蹟」/東野圭吾 読書徒然vol.10

          「ラプラスの魔女」/東野圭吾  読書徒然vol.9

          最後の最後まで先が読めない展開 心情を掘り下げて書かれている印象では ないのに、だからこそなのか伝わってくる文章 - 東野さんは「さまよう刃」という小説で出会えた 「さまよう刃」を読んだ時の感覚がいまだに 忘れられないほどに、考えさせられる作品だった 1度も休まずに一気に読み切った作品は 「さまよう刃」が初めてだった 「ラプラスの魔女」を読んで東野さんの作品に ついて気付いたことがある 救いようのない出来事やどうしてこんな...って 想いが浮かぶことが多いけれど 必ず主人

          「ラプラスの魔女」/東野圭吾  読書徒然vol.9

          「ままならないから私とあなた」/朝井リョウ 読書徒然vol.8

          自分の価値観・考えが 必ずしもすべての人にとって 幸せではないということ 当たり前なのだけれど、なかなか 気付きにくいところが2篇の物語を読むと ガン!って殴られたみたいに実感として 身に染みるようなすごい衝撃 朝井リョウさん 初めてリョウさんの作品に触れた小説で 3ピースバンドのチャットモンチーが 出てきた時に一気に心掴まれた それから作品読む度に、等身大を感じる 登場人物1人1人がどんな姿をしているのかが 頭に映像が浮かぶようなリアリティ すごく好きな作家さんの1人

          「ままならないから私とあなた」/朝井リョウ 読書徒然vol.8

          「猫のパジャマ」/レイ・ブラッドベリ 読書徒然 vol.7

          2016.8.13 短篇集で著者の多種多様な世界観を存分に 楽しめる1冊 細やかなところまで、緻密に色んな仕掛け  ラストまでハッとさせられる感覚が すごく気持ち良かった  著者の「華氏四五一度」という本と学生の時に 出会えて、読んですごく衝撃を受けた 他の本も読んでみたいなぁってて想いをずっと 抱いていて、出会えた1冊  理解力不足で、あともう少しのところで 気付ききれていないところが沢山ある感覚が もどかしいけど気持ち良かった 個人的お気に入り 『屋敷』 『猫のパジ

          「猫のパジャマ」/レイ・ブラッドベリ 読書徒然 vol.7

          『手のひらの音符』/藤岡陽子 読書徒然 vol.6

          2016.7.20 優しさって色んな優しさがあるんだなあって この小説に出会えて気付けた 器用な優しさも 自分自身を傷付けてしまうくらいに 不器用な優しさも この小説に出てくる「優しさ」 誰かの為の「優しさ」はすごく切なくて だけどとても強くて胸がきゅーってなった 手のひらの音符って題名の意味が段々 わかっていって はじめに何気なく出てきた出来事や言葉が 後半に繋がっていくところは何とも言えない 気持ちになった ----------------------------

          『手のひらの音符』/藤岡陽子 読書徒然 vol.6

          「アルジャーノンに花束を」 ダニエル・キイス 読書徒然vol.5

          今まで読んだ小説の中で読み終わるのに1番 時間がかかって衝撃的だった 物語はチャーリイの記した経過報告で進んでいく 文章でチャーリイが変化していく様がわかって 人間の悪意とかそれに気付いてしまった チャーリイに想いを馳せると、なんとも 言えない気持ちになった 最初読み進めるのに時間がすごくかかった 物語が進み、チャーリイが知能をもった時は スラスラ読めていたチャーリイの経過報告 次第に読み辛くなっていった だんだんと孤独を深めていくチャーリイの姿 そんな中でアルジャーノ

          「アルジャーノンに花束を」 ダニエル・キイス 読書徒然vol.5

          『世界から猫が消えたなら』   川村元気 読書徒然vol.4

          読んでいて、この気持ちを何て表したら いいんだろうという想いがうまれた 読み進めれば進める程にその答えを提示 してくれているように感じる言葉が出てきて、 気付いたら1冊読み終えていた 主人公の立場にもし自分がなったら どちらを選ぶのだろうかとすごく 考えさせられた 世界は自分の心や出逢えた人やもので  つくられていく 何をしたかは忘れていっちゃうけれど その時の感情は奥底にしっかり残っていて それを思い出させてくれるのは音楽だったり 映画だったり 哀しい・辛いがあるから

          『世界から猫が消えたなら』   川村元気 読書徒然vol.4

          『私は存在が空気』/中田永一  読書徒然 vol.3

          表紙のイラスト、大好きな漫画家である 浅野いにおさんが描かれていて嬉しみ溢れる どの主人公達も周りの人達との間に距離を 感じている その中で認めてくれたりわかってくれる人との 出逢いが紡がれている 不思議な文章の中に 他人と関わることのこわさ だけど関わらないと気付けない、些細な優しさに 触れた時の喜びとかがさり気なく込められている 不器用な登場人物達の気持ちが痛いほど 伝わってきて『愛しい』を感じる小説 自分のことをわかろうとしてくれる人が1人でも いれば大丈夫な気持ち

          『私は存在が空気』/中田永一  読書徒然 vol.3

          『図書館の神様』/瀬尾まいこ  読書徒然 vol.2

          部員はたった1名 はじめは乗り気じゃなかった清だけど 文芸部での活動を通して文学の面白さを知る ことで、清自身の生活面や心にも変化があらわれ ていったように感じた 心に残った文章 ------------------------------------------- (本文より) 『雑草は、強いと言いますが、 どうしてでしょう。彼らだって弱い部分が あるはずです。 「踏んでもすぐ立ち直る」 「愛情をかけなくても強く生き抜く」 かわいそうです。見ていられません。 聞いていられ

          『図書館の神様』/瀬尾まいこ  読書徒然 vol.2

          「しずく」/西 加奈子 読書徒然vol.1

          6つのお話の短篇集 西さんの小説を読むといつも感じるのだけど やっぱりこの小説に出てくる人物達もすごく個性的で読んでて楽しかったー! 主人公だけじゃなく、その周りにいる人達も キラキラ光って魅力的なのが西さんの小説の凄いところだ 周りの人達の視点からの物語も読んでみたい! そんな風に感じる魅力に溢れてる あと西さん独特のぶっ飛んでる雰囲気の文章 色の描写 やっぱり素敵だ その中に優しさも詰まっててすごかった どのお話も、 本当の自分でいたいけどいろんなことがあって それが難

          「しずく」/西 加奈子 読書徒然vol.1

          出会えた日のこと

          2016年3月20日 この日に感じた感情を、今でもとてもよく覚えている 心の中に浮かべるといつでも「あの日」にタイムスリップできるくらいに 当時の私は公私共々に山あり谷あり過ぎて学生時代の頃に夢中になっていた音楽やLIVEから遠ざかっていた 移動の時も家に帰ってからもWALKMANが友達だったのが、いつの間にか日常から音楽が消えそうな日々 自分自身の感情を感じることも、未来も不安でいっぱいの日々を過ごしていた そんな時に妹から誘われて行った広島でおこなわれたサーキットLIV

          出会えた日のこと