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輪郭

夜のひとりは
しずかなひとり
何処かへとけ出しては
輪郭を失う

戻りたい
戻らなくていい
その狭間を行き来して

昼間のひとりは
にぎやかなひとり
がさがさに
じくじくに
入ってこられないよう
輪郭を閉じる

逃げたいだけだ
逃げなくてもいい、と
迫りくるそのすべてから

夜のひとりは
とけだしたままの
輪郭をなぞっている

とけだしたままの
ひとり
その手で

#詩




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