茉莉亜まり

ことばのひとです。ことばにはっとしたりとっつかまったりだきしめられたりすてきにとりつか…

茉莉亜まり

ことばのひとです。ことばにはっとしたりとっつかまったりだきしめられたりすてきにとりつかれたりします。もうすこし書くと川柳と詩とエッセイのひとです。

最近の記事

たすけての便りはソーダ水の泡

ふつふつの たすけてといふ泡として ソーダ水には無限の記憶 #川柳 #Senryu  #短歌 #tanka #jtanka #月音花声

    • 水たまからこぼれるはなし

      2600余字の原稿を書くため、浅学は浅学なりをもって折口信夫という崇高な山に分け入っています。一昨年、おかやま文学おかやま文学フェスティバルでお役目のおはなしをさせていただいたときに一度分け入り、ふたたびこの山にやってきました。 林浩平さんの『折口信夫 霊性の思索者』を読み進めていき、きのうの明け方、ある部分にきて、ああ、この方は、となり、今日びのことでごめんなさいとウィキペディアカンニングをさせていただき、加納光於、キング・クリムゾンと出てきたので、おぉ、となり(このあた

      • 水たま

        ぽろんとこぼれる 水はわたしから わたしの外へと 川へ 海へ 空へ 宇宙とかまでへも いのちのすべてを 運んでは またもどる 水は玉、となり 玉は珠、を産み 靈の内へと 吸われゆく すべては巡り 巡らせる その巨いなる掌の中 水たまは ぽろん ころんと 光って #詩 #poem #月音花声 #水 #水たま

        • フラスコ

          おおきさの知れないフラスコ なかでぶくぐちゃとしているのは ごめんなさい ごめんなさい 過剰なのです 生きること そのありようが 稀薄に生まれついたのです いのち その濃度が フラスコの過剰 ぶくぐちゃと濃度をますための そのさまは 空のうら側のその向こうそのあたりで やれるといいのに その向こうは永遠ほど遠く いのちが生身に巣食ううちには たどり着くこと決して叶わず ぶくぐちゃと フラスコをみにくく持ち歩く ふられふる ふりにふる ほんの一瞬、それ一瞬きり 透

        たすけての便りはソーダ水の泡

          とけてゆく実験

          とけてゆく輪郭探る湖の底 noteをよたよたとつかいはじめました。 ルビが入るなんてしらなくて、ってか、そもそもできない体でしらべてなかったなあなまんまつかってるよ〜、で 湖(うみ) ってしてたら、note、ルビ入りますよ、ってまつりぺきんさんにリンクまで張ってお教えいただき(もうね、めちゃめちゃありがとうございまっす!です)、なるほどなるほどアップしたあとでも編集できるのね、とリンク先のAndroid用の手順を書き写し、編集を試みるも、むむむ。 ルビを入れるための決ま

          とけてゆく実験

          水音(すいおん)

          水の奥神なるものに遭うための とけてゆく輪郭探る湖の底 愛うすく凍れば切れるような水 わたくしを委ね川面に射す陽の手 侵されぬこの深淵の苔に露 魂魄を漱ぐいまから往く海へ 水の音たったひとこと泣いた日の #川柳 #Senryu  #月音花声 湖(うみ)

          水音(すいおん)

          海を海として

          こんなにも泣いていた 海は海だったから いつかわたしが わたしを 置き去ろうとした その 海は とおい海だけれど いまもここにある どくんどくん 置き去ることを 置き去って戻ってきた わたしは 日々を日々として重ね 海を海として ずっと泣きながら ときにだれかの瞳の中に 映ったり映らなかったり #詩 #月音花声

          海を海として

          なんじゃもんじゃ

          き・どあい・らく春の時間のその先の 極彩の春愁湖底へと放つ ピーチティ嘘彩りの鮮やかに 再誕へミライとミイラ往き来して かたかたとなんきんはぜのはなし声 産むために木彫りの梟は割れて ものがたり塔の普遍のその先の ミライへとなにも待てない葉が繁る くるしひをまるごと電球はまるい たすけてのたよりはソーダ水の泡 流離譚ちっちゃな石を蹴り続け のるそるのこの新緑の息ぐるし 夢までをめだかのたまご見棄てつつ ヒンメリのゆれだいじょうぶを捨て切る 狂うなら

          なんじゃもんじゃ

          だんだんこ、われ、た、い

          宇宙に抜けてゆく、 とか 空にとけてとけきる、 とか 湖の底に沈んでいる ガラスのかけらに変身する、 とか 花の話したことのはになって 蝶に連れ去られる、 とか 散歩してる犬のしっぽのさきっぽで ぶんぶんふりまわされて飛んでっちゃって  二度と もう二度と いまのここに帰ってきたりはしない、 とか とかとかとかを まぜこぜにして どれでもいいにして だんだんこ、 われ、 て、  い、 く   といい 先の世の砂漠を すっかり忘れきり 今の世のはかなさを すべて

          だんだんこ、われ、た、い

          セイレンの月

          天空のちさき月よりちさき声宿縁として聴こえ降る音 先の夜の月あかりなど纏ひつつきみは銀河を背負って降り立つ 雲いつもどれも完全なるかたちあなたの雲のあなたであなた 正解のなき晴れ方の空の色ホットケーキはいつもほくほく 冤罪のはや十度目で虹を出す人を愛してそののちのこと 閏秒その一瞬に封じられきみのあいなるまぼろしの愛 満月は昇る無実の顔をしてあなたを求め続ける剣 愛し方知らずに凍て蝶の吐息月桃の真下ににシャーマンの影 あの街の美術館へと時違え通ったきみと見据え

          セイレンの月

          輪郭

          夜のひとりは しずかなひとり 何処かへとけ出しては 輪郭を失う 戻りたい 戻らなくていい その狭間を行き来して 昼間のひとりは にぎやかなひとり がさがさに じくじくに 入ってこられないよう 輪郭を閉じる 逃げたいだけだ 逃げなくてもいい、と 迫りくるそのすべてから 夜のひとりは とけだしたままの 輪郭をなぞっている とけだしたままの ひとり その手で #詩

          ダース・ベイダー愛せば深くなる銀河

          「フォースと共にあらんことを」の英語May the force be with you.とMay the 4thをかけて、今日はスターウォーズの日だそうです。 神棚の真ん中に座すヨーダ様 たたかいの宇宙規模での未解決 オビ・ワンの哀しみ闇こその光 ダース・ベイダー愛せば深くなる銀河 愛としてあふれForceの無尽蔵 BB-8 道なき道の道の先 #川柳 #Senryu  #月音花声 #STARWARS

          ダース・ベイダー愛せば深くなる銀河

          みずうみ

          みぞおちのみずうみに ほそいほそい それはそれは たよりなげな 月 が映ります ゆらさぬように まもります ゆれないように 歩きます 月をこぼしてしまったら それがせかいのおわりです それがいのちの ありようです #詩 #月音花声 #月 #みずうみ #湖

          銅鏡の獣引き連れ戰です

          数年前から、記紀なるものがいまの「コッカ」たるものの礎を固めてゆくために記されるにあたり、封印されたり、ともすると歪められたりしたものことがある、ということに惹き込まれてゆきました。引き込まれてゆきました、という云いようのほうがしっくりするのかもしれません。 いまわたしは播磨地方に住まっているのですが、加西市で開催されていた光田和伸先生の「播磨風土記」の講座を二度ほど拝聴する機会がありました。残念ながら依然から続いていた光田先生の講座は、わたしが拝聴した二度目の回が加西市で

          銅鏡の獣引き連れ戰です

          ささやかな反逆の計クロッカス

          娘の結納が無事に納まりました。 新郎くんは現在は関西在住ですが、生まれは東シナ海に面した海の町。 ご両親は現在もそちらにおられますので、そこから関西までお見えくださいました。 最寄りの新幹線の駅まで車で3時間。 そこから関西まで。はるばるです。 この頃は結納のお品のレンタルがあるそうで、立派なお品をこの場のために業者さんを介して整えてくださり、富岡鉄斎のお軸の前にお並べくださり、式次第に従ってことは滞りなく終わったのでした。 わたしはといえばケイシキなるものが恐ろしいほど

          ささやかな反逆の計クロッカス

          しん。

          しんとするだけではたりなくて 息のできる居場所 をつくることができません しん と と の そのあいだに存在 したいのです こっそり たどたどと しずかに消えてゆくのを はやくはやくと 待っているのか たぶんちっとも 待っていないのか わからないほどの ほそいほそい 息 をしながら しん、 しん、 しん、 しん のあとの 、 にちょこんと腰かけて つみ藁から抜きとった 一本の藁のような 息をつないで つぎの しん、 のあとの 、 に 知らないうちに やおら移って 綱