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1minute七十二候 桜始開(さくらはじめてひらく)

春分<次候>
3月25日から3月29日頃

春分の次候にあたるこの時期は、昼と夜の長さが等しくなり、自然界も新たな息吹に満ち溢れるとき。うららかな春の陽気に誘われるように、桜の花が開花し始め、「お花見」の季節の到来を告げます。

桜の下で過ごすひと時は、日本人にとって特別な意味を持ち、長い歴史の中で、その楽しみ方は時代と共に変化してきました。
奈良時代には、梅の花を愛でる貴族文化から始まり、桜を鑑賞する風習に発展しました。平安時代には、「花」と言えば桜を指すほど、その魅力は人々の生活に深く根付いていました。そして、今のように公園や川沿いに桜の木が植えられ、春の行楽として、庶民誰もが楽しめるイベントへと変わっていったのは江戸時代に入ってからのこと。この頃 品種改良により、「染井吉野」という今日私たちがよく知る桜も生み出されました。

さて、お花見の際に欠かせないのが、桜餅や三色団子などの和菓子ですよね。「花より団子」という言葉があるように、食事を楽しむこともお花見の醍醐味の一つ。桜餅に関しては、関東と関西で異なるスタイルがあり、地域ごとの文化の違いを感じさせてくれます。

また、この季節は、東洋医学では「発陳」とされ、自然のエネルギーが活発に動き出す時期とされています。古典に従い、早寝早起きを心掛け、散歩を楽しむことで、この季節のエネルギーを感じ取りましょう。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


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