君たちはどう席を立つか。(電車からおりるタイミングについて)
2人で歩いて帰っている時、当たり前だが必ずいつか1人になるタイミングが訪れる。
ある人は「また明日」といって角を左に曲がり、またある人は「俺、この後予定あるから」と普段降りない駅で降りる。自転車を押して歩いていたある人は、踵を返した瞬間にペダルを漕ぎ始めたりする。そうして私たちは、いつしか1人で家に帰ることになる。
そんな小さな別れに向かって歩を進める度、毎回思う。
どこで話を切り上げたらいいんだ!?
と。
【ケース①】
例えば、数メートル先に十字路があるとする。
私は右に、彼は左に曲がるため、この十字路で「また明日」をする必要がある。
しかし、今歩きながら話している内容がとうてい終わりそうにない。
まだ起承転結の起の部分じゃん!?と内心ヒヤヒヤしながら、へぇーと中身のない相槌を打つ。
そんな時、君たちはどうするのか。
君たちはどう別れるのか!!!!
【ケース②】
例えば、2人で同じ電車に乗るとする。
私は電車を乗り換える必要があるため、次の駅で降りる。もう1人はしばらくこの電車に乗って、数駅先で降りるようだ。
あいにくこの時間はそんなに混雑していないため、2人横になって席に座りながら話をしたり、ときにそれぞれがスマホをいじったりしている。
こんな時、君たちはいつ降りるのか。
君たちはどう席を立つか!!!
私はそれぞれのケースにおいて、相当早い段階で話を切り上げ、サヨナラを言う助走をする。
へぇーそうなんだ!ふーん!!と話を遮るように言い捨て、じゃっ!またっ!!と別れのカードを切る。
ちなみに別れるタイミングであるその十字路はまだ数メートル先だし、電車に至ってはようやくその駅のホームが見えたあたりだ。
だから当然、2人が無言のまま同じ空間を共有する時間が訪れる。
時間にして約10秒前後。まだ話そうとすればひとことふたことのラリーは続くその距離を、私たちは無言になってただ真っ直ぐと進むのだ。
だって、もう「また明日」をしてしまったのだから。。。
これが正解じゃないのはわかっている。
でも、、、でも!!!
じゃあ、いつ!!
どうやって!!
話を切り上げて!!
歩を止めることなく!!
サヨナラを言えばいいんですか!!!
私は問いたい。
宮崎駿もきっとこれが聞きたくてあの映画を作ったのだ。
君たちはどう帰るか。
この問題は1人で電車を降りる時にも考えてしまう。
あなたが席に座っている時、いつ席を立ち、どうやって降りるのか。
ここでまず、電車が駅を出てから次の駅に着くまでを細分化しよう。
こんなもんだろうか。
さて、皆さんはどこで席を立つのか。
私は⑤だ。⑥に入ることには完全に席を立っており、扉の前に立っている。
友人に言われた「おまえ席立つの早いって。まだついてないじゃん」の一言でこの事実に気付かされた。
なぜ私は⑤で席を立つのか。そんなもの知らぬ。
一度完全に停車して、扉が開いてから降りようと試みたが、どうしてもソワソワして何ならいつもより早く席を立ってしまった。
でも電車に乗る人もいるから早いうちに扉の前に立ってスムーズに降りられたほうが良いよね!?
早めに席を立ったほうが、他に乗っている人が座れるからいいよね!?!?
私はきっとこれからも⑤で電車を降り続ける。
⑤で電車を降り続けるし、⑤のタイミングで友達に別れを告げる。
この一文だけ見たら何のことかわからないだろうが。
ここまでの文章を読んでくれた人にもう一度問う。
君たちはどう席を立つか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?