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からだの中の記憶たち。その2

その後、セッションを重ねていくうちに。
だんだんと自分のからだや感情を感じることや、リラックスして施術者を信頼し、委ねることができるようになってきました。
そして様々な手技により、からだの強張りや詰まり、深層部分の固さがリリースされる時や、ヒーリングで、からだにそっと手を当てられた時に。
過去の記憶、映像や、その時に感じていた感情などが、まるで凍って保存されていたものが、溶けて解凍するかのように突然湧き上がってきて、再体験するということが度々起きてきました。
思い出す、というのとも違うのです。その時の自分そのものに還って体験しているような感覚です。
怒りや悲しみ、拒絶感、恐れなど。様々な場面の記憶、感情がリリースされていきました。子供に還って泣いている自分。そしてそれを静かに見ている、冷静なもう1人のわたしが一緒にいるような不思議な気分でもありました。
このような解放が、一度に起こったわけではなく。
毎回それぞれテーマになっている身体の部位ごとに、何かしらのイメージや感情が湧き上がっては消えていくのです。

その時に安全な空間を維持して見守ってくれていたのは、もちろんボディワーカーさんでした。
「セッション中に、なにか感情が湧いて来ても大丈夫ですから。そのまま、抵抗しないで。ゆっくり深呼吸をして感じるままにしていてくださいね。」
と言われていたので、起きることを信頼して施術そのものに恐れは全くありませんでした。私は自分で選んで、この体験をすることに決めていたのだとわかっていました。

からだの中の記憶も、まるで地層のように。
それぞれの年代ごとに、層になっているのかもしれません。
表面から、もっともっと奥のほうへ。
まずは、恐れ、怒り、そして悲しみ。
そして、終わりに近いセッションで出てきた記憶は。
5歳ぐらいの頃の私の、とてもつもない悲しみと、孤独感でした。

その3に続く*

(🌿2021年に投稿した記事を再投稿しています。)

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