からだの中の記憶たち。その1
私は20代半ば頃に、これからの人生の方向性や、どんな仕事をして行きたいのか。このままでいいのかなど、とても悩んだ時がありました。
ジュエリー制作、デザインの専門学校に通って3年目。
そろそろ今後の進路や就職について真剣に考えていかねばならない時期にさしかかっていました。
アルバイトをしながら制作、課題提出に追われる日々は大変でしたがとても楽しい学生生活でした。デザイナー、作家になりたいなどの夢があって自分で選んだ学校だったのですが。
だんだんと心身に違和感と不調が出てきて、それまでボディケアやカウンセリングなどは受けたこともなかったけど受けてみようかな、と思うようになりました。
その頃に本屋で目についたボディワーク関係の特集をしていた雑誌に載っていた男性のボディワーカーさんがふと気になり、すぐに予約を入れました。
そのセッションは、心理カウンセリングと、ヒーリング。そして10回セットの全身を統合していくボディワークが融合したようなものでした。
通常は、2週間に1回のペースで受けていくものでしたが、私は月に1回のペースでゆっくりと受けさせてもらうことになります。
ボディワークそのものが初めてだったわけですが、今でも私はそのボディワーカーさんにその時出会えたことを、幸運だったなと感謝しています。
彼は、もともとは音楽家であり、その後サイコセラピーやボディワークを学んで身につけた方でした。それと同時にヨガや瞑想など、霊的な修行も長く積んでいました。
今でも印象に残っているのは、3回目ぐらいのセッションの時。
家族との関係性について私が淡々と話している最中に。
彼が突然静かに、はらはらと涙を流し始めました。何故、この方は泣いて居るのだろう?私は悲しくないのに、と不思議に思って見つめていたのですが、すぐ気がつきました。
悲しいこと、とても辛いことを話しているのに。感情を麻痺させて何も感じられない、涙を流すこともできなくなっている、自分。
その私の代わりに、この方は泣いてくれているんだな。
私は今はまだ泣けないけれど、ありがたいなあと思いました。
子供の頃は、そんなことなかったのに、
私はいつから泣けなくなっていたのだろう?
感情をどこに閉じ込めて凍らせてしまったのだろう。
将来の仕事や進路に悩んで、というのは多分表面的なことで。
私はもっと根深い部分での過去の痛みや悲しみや関係性と向き合う必要があって。違和感や心身の不調というサインになっていたのだと。
セッションの回数を重ねるごとに、気づき始めていました。
その2に続きます*
(🌿2021年に書いた記事を再投稿しています)
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