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某大学で日本史を専攻してました。今は労働者です。

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最近の記事

「ジョブ型雇用」について考えてみた(3)~日立製作所を事例に~

前回の振り返りと今回の概観  前回は日経連が職務給を導入したいと考えていた動機と、職務給の導入に向けた課題意識を取り上げた。少々一般論的な内容を紹介したが、今回は日立製作所を具体例として、実際に職務給がどのような展開によって導入・「修正」されたのかを検討したい。 日立製作所の職務給導入に対する動機 日立製作所は職務給を導入するにあたって、以下のような問題意識を持っていた。(筆者により、日立製作所社史編纂委員会編『日立製作所史.3』、日立製作所、1971年を参照して、簡略にま

    • 「ジョブ型雇用」について考えてみた(2)

      前回の振り返りと今回の概観 前回は、職務給(ジョブ型)の議論が60年ほど前に盛んだったにも関わらず、メンバーシップ型の雇用になってしまったことに対して諸々の雑感を書いた。  今回は職務給を打ち出した日経連の議論・考えを検討してみたい。どのような問題意識があって職務給を検討したのか、そしてどのような点に課題を感じていたのかを紹介してみたい。 『職務給の研究』について 今回主に用いる史料は、『職務給の研究』(日本経営者連盟団体弘報部、初版、1955年)だ。こちらは、日経連(日本

      • 「ジョブ型雇用」について考えてみた(1)

        ジョブ型雇用の議論―現在 ここ2年くらいだろうか。日立製作所を筆頭に、ジョブ型雇用への転換を図るという記事をよく目にするようになった。従来のメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に転換することで、生産性を向上する・成果主義になる…云々と、ジョブ型が企業の競争力を上げるのだという旨の論調が多い。  ジョブ型雇用に関して、「間違った理解」が広まっていることについては、濱口さんの『ジョブ型雇用社会とは何か』(を見れば良い。(し、いろんな人がnoteにまとめている。)また、初歩の初歩か

      「ジョブ型雇用」について考えてみた(3)~日立製作所を事例に~