綾辻行人『人形館の殺人』

 読みました! 以下犯人について触れます。

 犯人もトリックもわかった!! やったね!

 “私”が二重人格なのは比較的わかりやすかったのでもうちょっと何かひねってるかなと思ったら、まさか島田さんが幻覚だとは。先に架場さんからの電話が都合の良いときにかかってきていたので、島田さんからの電話も特に違和感なかったのが上手いなと。
 でも一応あれと思ったシーンは2箇所あって、まず1つ目は“私”が犯人である可能性があると指摘するべきところで指摘しなかったところ、2つ目は女性を襲った後、犯人が去る記述がなかったところでした。でもどちらともあれとは思ったけどだから何なのかまでははっきりと分からなかったのでその点はだめでしたね。
 本も読めない入院ってなんだとずっと引っかかってたんですが、精神病院ってそういうことあるんですね。知らなかった。

 綾辻行人のもじりのキャラクターいるじゃん! 主人公とバディ組んで探偵をやれと思ってたらめちゃくちゃ犯罪者だった。そんなことある?

 人形館が本当に中村青司の設計家は大分怪しいなと思っていましたが、ちゃんと考えれば建てられた年からも推測できるってのはちゃんとしてますね。

 記憶の混濁の描写が幻想的で良かったですね。副人格のパートの入りと島田さんの推理パートの入りが同じで動揺させられましたし、抜け道があったりなかったりして、犯人やトリックがわかっていても驚かされる描写が多くて読んでて楽しかったです。

 次巻は評判のいい『時計館の殺人』なので楽しみです!


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