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『ハイジ45』におけるhidden placeについての覚


 
 どこにでもある誰も見ていない風景ー隠された場所“ hidden place”
 
 場所に眠るメッセージを呼び起こし、インスピレーションを受けた作家が、その中で身体を使い遠のく過去と切り開かれる未来のゲートを開く。
そこに潜むのは、誰にでも感じ取れるリアリティを含んだ物語。
 

 日常、意識される事の無い時間と時間の連なりは、時を経て尚記録されていた場合に「歴史」と呼ばれることがある。
しかし、記録にも残らないような微かなメッセージは、
私のすぐ傍でひっそりと身を隠しながら、確実に点在している。
 
 今、目に映る世界は一つしかないと感じている。しかし、もし時間の形が異なれば、目の前には6秒前の事が写り、60秒前の事が写り、3分前の事が写り、9日前、9年前と今までの事が同時に目に映り、漆黒の闇が目の前を覆う。
 作家はその場所の漆黒に眠るメッセージを呼び起こして、イメージを紡
ぎだし物語を構成する。そうして構成された物語では休符の様な、次の準備をして何かを待つ場所そのものが、とても重要となってくる。
 
 現実として時間は闇となることはなく、常に流れている。
今まで流れて来た時間とこれから流れるであろう時間の間で作られ
る物語は、何を語るのだろうか。また、見る者達の埋もれた意識を土壌にして、どの様な花を咲かせるのだろうか。


©️松井智惠        2005年5月25日筆  2023年8月13日改訂

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