大吉くんへ。
一年間ずっと一緒にいてくれてありがとう。君は何事にもポジティブで、不運な私に出会ったときも嫌な顔ひとつしないで笑ってくれましたね。この一年は仕事も、恋愛も、金銭も、決して幸運だったとは言えませんでした。それでもめげることなく乗り越えられたのは間違いなく君の力です。気の持ちようで運命はどうにでもできるんだってビックリしました。待ち人も来ない大凶を背負って生まれてきた私だけど、君に出会えたことだけはラッキーだったかな、なんて。もうすぐお別れの時間です。君と過ごした日々のことは忘れません。次の一年が君にとって素敵な年になりますように。

「おい大吉、去年のおみくじのお焚き上げはしなくていいのか？」
大吉は財布の中から去年の大凶のおみくじを取り出すと、ひと通り読み直した後で財布にしまった。
「やめておくよ。そもそも木に括り付けなきゃいけないのに持ち帰っちゃったものだし、この一年は何だかんだで結構楽しかったからさ」
（410字）

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前回のお題「執念」「第一」

以下、今回の本文作成に至るまでのアイディアめも。

アイディアの羅列
運試し：お神籤、宝くじ、ランダム、
擬人化：国、戦艦、馬、刀、城、

アイディアの組み合わせ
大吉や大凶を擬人化する話：人の大吉とおみくじの大凶の話。大吉のポジティブで大凶のネガティブを吹き飛ばす。大凶は引かれたそばから木に括り付けられるが大吉に持ち帰ってもらえる。一年後のお焚き上げ前の別れの手紙。
どんな人間になるのかランダムで選ばれる話：ロングコートダディ展開使えそう。
何の擬人化になるのかランダムで選ばれる話：ロングコートダディ展開使えそう。何かの能力に秀でた人間になりたい。来世に何になるかはまだしも現世で何であったかを決め直すのは至難の業。ランダムで決めるしかない。