(4)膵臓の手術前に必要だった、検査以外のステップ


自己血貯血

採取前に2週間ほど鉄剤を飲んでから、自己血貯血に臨みました。手術中に輸血が必要になったときのために、自分で自分に献血するわけです。そうすれば他人の血液を体内に入れるよりもリスクが少ない。

もし使わなかったら、もったいないしせっかくだから献血に回せないのかな?という素朴な疑問が浮かびましたが、献血の場合は採血後に放射線を照射するなど処置が異なるそうで、それはできないとのことでした。

立ちくらみや悪寒などはありませんでしたが、自己血をとったあと、ひじの内側から手首の内側にかけて、紫や黄色のあざが広がったのには驚きました。1週間は消えなかったと思います。自己血をとりはじめた最初のうち「(血が出てくるのが)遅い」と看護師さんが言っていたのと関係があるのかもしれません。

手術に向けての呼吸訓練

トライボールZという器具を購入して、呼気・吸気を3秒以上一定に保つ訓練をするという宿題が出ました。これは高齢のかたのほうがきちんとやるように指導されると思います。それにしてもこの、ドラゴンボールを意識した商品名…。

画像1

画像はメーカーさんからお借りしました。ピアニカの吹き口みたいなところから息を吸うと、ボールがふわふわ上がっていきます。まずは薄い水色、水色、紺色の順。

家族で試してみたところ、子供は頑張って薄い水色まで。私は2つめまではラクに上がって、頑張ると3つめの紺色まで上がる。夫は簡単に紺色まで上げていた。ただ、3秒以上キープするのがポイントで、瞬間的に上げるのはできても、上げ続けるのはかなり難しい。

説明書には吸気の練習法しか書いてなかったのですが、病院では器具をひっくり返して呼気の練習もするよう指導されました。これも難しい。

吸うのと吐くの、朝昼夜と寝る前の1日4回、10回以上やるように言われました。みっちりやると汗ばみます。意識的に深呼吸することになるので、身体にはよさそう。

手術後もやってねと言われて試したら、薄い水色を上げるのも精一杯!そして苦しい!手術前後の呼吸の違いには驚きました。(でも苦しすぎてさぼりがちだったw)

ちなみに、入院中に隣のベッドにいらした60歳近いかたに対しては、ベッドに来る人、来る人、みんな「トライボールやってくださいね」としつこいほど念を押していました。必要な人にはこんなふうに対応が違うんだなあと思いながら聞いていました。

麻酔科のオリエンテーション

全身麻酔がどんなものなのか、安全ですよ、怖くないですよ、みたいなDVDを15分ほど見せられたのち、背中から入れる硬膜外麻酔について、実際に使うチューブやボタンをさわらせてもらいながら説明を受けました。

それから麻酔科の医師からあらためて使用する麻酔の説明とリスクの可能性を聞き、同意書にサインしました。


手術前説明

手術直前の診察では、主治医から手術内容について詳しい説明を受け、最後に同意書にサインしました。

先生は4色ボールペンでわかりやすく色分けしながら、骨格、臓器、血管、腫瘍、手術でどこを切る、という説明をしてくださったのだけれど、オリジナルは病院保管で、私の手元には白黒コピーが渡されたのが残念……。先生が話しながらすらすらと図を描いてくださる様子、可能ならば動画で残しておきたいくらい、いいライブ感がありました!

入院前オリエンテーション

これはすごく形式的な説明でした。入院用パンフレットに書いてあることを読み合せるだけ。パジャマやタオルを全部レンタル用品でまかなう人には必要ないかもしれないけれど、できればコインランドリーを使って自前で済ませたかった私は、え、どうしたらいいの?という感じ。

それが入院受付した直後にババーッと知りたかった情報が出てきて、なんなんだよ!それ早く教えてよ!ってなりました。入院してから聞いたって遅いっつーの。

開腹手術する場合、手術後は尿道カテーテル+おむつで、カテーテルが抜けるまでの数日はトイレもシャワーもなし。毎日看護師さんが体を拭いてくださって、着替えもしてくださる。回復してきてからも、腕に点滴がついているあいだは、いったん点滴を外さないとならないので、看護師さんがいなければ着替えはできない。

入院フロアにコインランドリーはあるけれど、それが自力で使えたのは手術から5日目でした。なので家族に洗濯物を取りに来てもらって、洗ったものを届けてもらうということが1回だけ発生しました(パジャマは長袖・半袖とりまぜて4セット持っていっていました。その後、入院中に2回洗濯しました)。

もし頼める家族がいなくて、でもレンタルパジャマ100%は嫌だという場合は、手術当日からランドリーが使えるようになるまでパジャマとタオルのレンタルを申し込んでおいて、後半は自分のパジャマとタオルにするといいかもしれません。尿道カテーテル+おむつの期間は、下着の汚れ物も出ないので。

私は金額面で安く抑えたいというのも勿論ですけど、レンタルの化繊のパジャマって着心地どうなんだろうと思ってしまって。普段から使っている木綿100%の自分のパジャマは、入院中も落ちつけてよかったですよ。

それでは、次回は入院準備について書きたいと思います。手術で2週間以上入院する場合、何が必要なのか。これから入院されるかたが万全な準備で臨めますように。

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