ぼくのマシン

アートディレクタ/デザイナが書く、アートとデザインと映画とポップカルチャーについて。 …

ぼくのマシン

アートディレクタ/デザイナが書く、アートとデザインと映画とポップカルチャーについて。 美術学士/学芸員資格所有。

最近の記事

劇薬のようなおとぎ話。 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」映画感想文

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観ました。 大変面白く、涙がでるほど入り込んで観てしまった。 しかし、鑑賞後、これは危険な、劇薬のような映画ではないのか、と思っています。 ネタバレ注意 今作は特にネタバレせずに鑑賞したほうが良いです。 クエンティン・タランティーノの9作目となる長編監督作。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターを初共演させ、落ち目の俳優とそのスタントマンの2人の友情と絆を軸に、1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描い

    • 予想がけっこう当たっていて驚いた。 「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」 映画感想

      「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」観てきました。 ぼくが前作の感想で指摘した点が一部反映されていてびっくりしました。 どこが当たっていたのかに加え、今作およびシークエル三部作の感想を書きます。 ネタバレ注意 スターウォーズ エピソード7-9 「スター・ウォーズ」の新たな3部作としてスタートした「スター・ウォーズ フォースの覚醒」(2015)、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」(17)に続く3部作の3作目。「スター・ウォーズ」サーガのエピソード9にあたり、19

      • 概念の壁をどんどん超え続ける、ジュリアン・オピーという作家について

        「ジュリアン・オピー」ってゆうアーティストがいるんですよ。 ぼくはこの人の作品大好きで、非常に影響を受けています。 この前東京で開催された展覧会に行ってきたのですが、相変わらず概念の壁をガンガン超えてきていて、びっくりしました。 「概念の壁を超える」とはどうゆうことか? 展覧会の作品を中心に、ぼくが考えてみたところを書きます。 記事内の会場写真はすべて筆者撮影。 撮影されている作品の著作権はジュリアン・オピーに属します。 イラストとアートの壁を超えたぜ Blurのこのアル

        • 現代最高の画家、ピーター・ドイグの作品がついに日本に来る

          「ピーター・ドイグ」ってゆう画家がいるんですよ。 おそらく現在活躍中のペインター(主に平面絵画作品を制作する人。画家)の中では最も有名で作品評価も高い人のひとり。 ぼくはピーター・ドイグの作品が大好きなんですよ。 輸入した画集も持ってます。 そしてなんと、ついに、ついに日本で個展が開かれます。 これは必見です。みんな行こう。 ぼくの好きなドイグ作品ぼくが最初にピーター・ドイグのことを知ったのは下記の作品です。 《ブロッター》 1993年、油彩・キャンバス、249×199c

        劇薬のようなおとぎ話。 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」映画感想文

          あけましておめでとうございます。 本年も、絵を描き、文を書き、模型を作っていきます。 本年も、大量の下書きと、ラフスケッチと、煩悩を積み上げます。 よろしくお願い申し上げます。

          あけましておめでとうございます。 本年も、絵を描き、文を書き、模型を作っていきます。 本年も、大量の下書きと、ラフスケッチと、煩悩を積み上げます。 よろしくお願い申し上げます。

          ラピュタとセカイ系とバニラ高収入。 「天気の子」映画感想

          「天気の子」ってあるじゃないですか。 2019年に公開された、アニメーション映画。 観たので感想と、ぼくが考えたクライマックスの案を書きます。あらためて「天空の城ラピュタ」の強さを認識しました。 概要ネタバレ注意 「天気の子」 「天空の城ラピュタ」 2019年製作/114分/G/日本 配給:東宝 あらすじ 離島から家出し、東京にやって来た高校生の帆高。生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく手に入れたのは、怪しげなオカルト雑誌のライターの仕事だった。そんな彼の今後

          ラピュタとセカイ系とバニラ高収入。 「天気の子」映画感想

          ぼくのマシン クリエイティヴアウォード2019

          「ぼくのマシン クリエイティヴアウォード」ってあるじゃないですか。 ぼくが今年から勝手にやってる、クリエイティヴなものに贈られる賞の祭典です。まぁ今思いついたんで当然誰も知らないと思うんですけど。 今年ぼくが触れたものの中で素晴らしかったものを書きます 楽曲賞King Gnu の 「 It's a small world」です。おめでとうございます。 楽曲、演奏、歌唱、歌詞、MVの完成度、オリジナリティ、全てにおいて素晴らしかった。 映画賞「スパイダーマン:スパイダーバ

          ぼくのマシン クリエイティヴアウォード2019

          魁!!ケモノ塾。 「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」映画感想

          『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ってあるじゃないですか。 2019年に公開された、ご存知「ゴジラ」のアメリカ版映画です。 いわゆるギャレゴジと呼ばれる「GODZILLA ゴジラ」の続編で、モンスターバースシリーズの第3作目。 観たので感想書きます。大変楽しめました。 ネタバレ注意 「GODZILLA ゴジラ」 「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」 あらすじと概要前作から5年後の世界を舞台に、モスラ、ラドン、キングギドラなど続々と復活する神話時代の怪獣たちとゴジラ

          魁!!ケモノ塾。 「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」映画感想

          ぼくのnote元年

          2019年ってもうすぐ終わりじゃないですか。 ぼくは、2019年の11月にnoteを始めたんですよ。 初めは右も左もわからず、手探り状態でいろいろ書いていました。 でも、1ヶ月たった今もそうです。これからもずっとそうだと思います。 noteをはじめてみて文章を書くのは「最高に楽しい」ことがわかりました。 noteを始める以前のぼくは、ある複数の理由で、創作に対しての自分の中の時間が止まってしまっている状況でした。 1ヶ月前、ふと思い立って、サビついてスクラップ寸前のエンジン

          ぼくのnote元年

          プロがモバイルアプリで曲を作る超絶メイキング集めた

          曲を作れるモバイルアプリっていろいろあるじゃないですか。 手軽にできるものから結構本格的なDTMツールまでいろいろあるんですよ。 経験のない人でも簡単に作曲を始められてとってもいいと思うんです。 しかし。 プロのミュージシャンがモバイルアプリを使うととんでもなくスゴイことになります。 Jamie Lidell が iMaschineを使う Jamie Lidell すごすぎるだろ。 ベッドっで寝ながら作ってますよ。 ぼくが布団の中でスマフォ観ながら、「え、Mattと桑田真

          プロがモバイルアプリで曲を作る超絶メイキング集めた

          安全工学の話: 手術の時、患者さんの「好きな音楽」を流したりできるらしい。 これは執刀医が集中できる音楽をかけてもらったほうが良いと思う。 また、「血圧下がってます!」とか「メス!」とか手術中に言いそうな言葉がサンプリングされた音楽を選曲されたら紛らわしくて危なくない?

          安全工学の話: 手術の時、患者さんの「好きな音楽」を流したりできるらしい。 これは執刀医が集中できる音楽をかけてもらったほうが良いと思う。 また、「血圧下がってます!」とか「メス!」とか手術中に言いそうな言葉がサンプリングされた音楽を選曲されたら紛らわしくて危なくない?

          「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」 を証明する展覧会に行ってきた

          「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」ってゆう言葉あるじゃないですか。 アメリカ広告界の重鎮、ジェームス・ウェブ・ヤングが残した名言なんですけど。 ぼくこの言葉大好きなんです。 要は、完全に新しいアイデアなんてなくて、既にある要素を組み合わせて新しいものを作るんだ、ということですね。 今回なんと、この言葉を目で見て実感できる展覧会に行ってきました。 「スター・ウォーズ アイデンティティーズ:ザ・エキシビジョン」です。 本展には、映画で実際に俳優た

          「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」 を証明する展覧会に行ってきた

          決闘シーンが不満なので改善案を考えた。 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」映画感想

          「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」ってあるじゃないですか。 『スター・ウォーズ』シリーズの、レイを主人公とする続三部作の第1章『エピソード8』に当たる、2017年に公開された映画。 公開当時劇場で見たのですが、最近地上波放映もあったので再度見ました。感想書きます。決闘シーンの改善案も書きます。 どちらかと言えば、既に見た方向けの文章です。 エピソード7の感想は下記を御覧ください。 ネタバレ注意 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」 「スター・ウォーズ シリーズ」全般 2

          決闘シーンが不満なので改善案を考えた。 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」映画感想

          松本大洋氏の「竹光侍」のキュビズム的な顔の表現、バスキアの影響もあるのではないかと思った。 (左:竹光侍 松本大洋 右:小麦粉 ジャン・ミッシェル・バスキア)

          松本大洋氏の「竹光侍」のキュビズム的な顔の表現、バスキアの影響もあるのではないかと思った。 (左:竹光侍 松本大洋 右:小麦粉 ジャン・ミッシェル・バスキア)

          記号で泣くか物語で泣くか。 「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」映画感想

          「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」ってあるじゃないですか。 『スター・ウォーズ』シリーズの、レイを主人公とする続三部作の第1章『エピソード7』に当たる、2015年に公開された映画。 公開当時劇場で見たのですが、最近地上波放映もあったので再度見ました。感想書きます。どちらかと言えば、既に見た方向けの文章です。 ネタバレ注意 「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」 「スター・ウォーズ シリーズ」全般 2015年製作/136分/G/アメリカ 原題:Star Wars: The

          記号で泣くか物語で泣くか。 「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」映画感想

          note編集部おすすめマガジンに取り上げていただきました。ありがとうございます。嬉しい😊 他にもマガジンに追加くださった方、いつも読んでくださる方、スキを押してくれる方、ありがとうございます。皆様のおかげで書けています。

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