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改めて「評価の大切さ」を考える

形成的評価でいこう

 来年度の高校における学習指導要領の全面実施に向けて、いま、評価について議論となることが多い。このような中で、評価に関する様々な場面においてそれぞれのルーブリックを作成して利用している私には、いろいろと聴かれたり、評価に用いているルーブリックのプリントを求められたりもする。
 これからの教育指導をどうしていこうか、教育課程をどう改定しようか、来年度の予定をどう組もうか…などなど、次年度の学校教育を考えていく中で、3観点評価についての議論が大きなウェイトを占める状況だ。
 私自身は、学校内における途中の評価は全て「形成的評価であるべき」と考えている。それは、評価とは結果ではなく、次への成長に生かすための「学びのコンパス」の一つと考えるからだ。さらに、この学びのコンパスは、評価される側にとって、たいへんに大きな意味をもつと感じるからでもある。

その影響力の大きさを考えよう

 初等中等教育において、特に高校生段階において、生徒たちはテスト(定期考査)の結果を非常に気にする。保護者の方も同様である。ということは、この定期考査の出題方針(方法)が、それを受ける生徒たちにとって大きな影響を与えるのは至極当然のこととなる。
 つまり、どのような出題をするのか(どのような問題が出るのか)、どのように評価されるのか、に生徒たちの注意が向いているということになる。
 そこで、私たち出題者は、ここに着目し、内容はもちろん、出題方法、出題形式についてよく吟味し、常に生徒たちが学びを深めるように導いていけるように意識することが重要である。そう、そのための評価方法になっていることが重要である。
 評価が、生徒が自ら学びを深めるように、学びを深められるように、学びを進めていく道しるべとなることが重要である。そのために、まず、評価規準を評価を受ける側である生徒に明示することが必要である。

評価というと…

 ここで、評価の話をすると、必ずといっていいほど「評価、評価といって、評価のための評価をすることでいいのか」という意見を出してくる者がいる。このようなことを言って、話をすり替えマウントをとろうとするのである。
 もちろん、評価は評価のためにあるのではない。ただ、生徒たちにとっての影響力の大きさ、子どもたちの気持ちを考えて、生徒たちのその気持ちに上手く乗っかって評価を利用して、すなわち評価規準を共有して、そして、学びを共有していきたいと私は考えているのだ。
 評価規準を考えることで、(それぞれの単元等で)どんな力をつけたいのか、つけられるのか、どのような方法で学ぶのが適切か、じっくりと考える機会となるはずだ。評価とは、生徒にとっても、私たち教える側にとっても、どのように学ぶかについて深く考えるとてもいい機会を与えてくれるものだと感じている。
 評価を「学びを促し、学びを深める」非常に有効な道具(手段であり武器)と捉えて利用している。
手段と目的を間違えることがないように、常に道具は道具として意識していこう。

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