水になる

最後には何もない

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近すぎると見えなくて、綺麗すぎると怖いもの

綺麗なものは遠くにあるから綺麗。「Superflyの愛をこめて花束を」の歌詞。 桜があまりにも綺麗で、怖い。森見登美彦さんの「新釈 走れメロス」のうちの一作品で、主人公は人気(ひとけ)のない場所に咲く満開の桜を見ると恐怖を覚える。 どちらも綺麗について表現しているけど、前者は自分にとって綺麗なもの(=憧れの対象、純潔で汚れのないもの、理想)は、その対象に近づくにつれて微かな違和感や幻滅を覚え、汚らわしいと感じる。つまりほどほどの距離から見ている今のその状態が一番綺麗ってい

    • (超人A)

      小学校で配られる、誰でもわかりやすいように作られた足し引き算用のブロックを使って説明しても1たす1が理解できない。鈍感がゆえに、クラスでいじめが存在していてもそれが発する空気感に気づかない(卒業後のクラス会で知る)。プロフィール帳をクラスの友だちに渡しに行くと不在だったため、顔見知りの子に渡したら私は持ってないのにAに見せびらかされたという理由で泣かれ、先生に呼び出されたけど何が悪いのかわからなくて一緒になって泣く。授業は座ってるだけ(「聞いてる」じゃなくて音として耳に入れて

      • エムのオタクが震えたよ

        『M-1グランプリ2024、優勝は令和ロマン!』 年に一回、私が唯一有休を取る日 まだ日が高い時間からテレビに齧り付く 劇場で何回も見たコンビが、今年の予選で見つけたコンビが、ここまで勝ち上がっている ずっと、応援していてよかった 他人の人生を見守る この界隈の入り口は2016年のM-1グランプリ 銀シャリが優勝した年 関西弁の会話、ボケ、ツッコミ、笑わせることに人生を賭けて1000万を狙うっていう概念がまず面白すぎると思ったのを覚えている 大阪のお笑い文化、関西

        • 私の超人ばあちゃん

          私のばあちゃんは東北の果てで生まれ育った。 いまもじいちゃんと従姉妹家族と一緒に暮らしている。 生まれた瞬間こそ東北の産婦人科にいたけど、育ちは関東圏の私がばあちゃんに会えるのは、年に一度の年末年始。 ユーモアに富んでいて、所謂「普通」とはちょっと離れた、そんな数々の逸話を持ってる私のばあちゃんの話。 そもそもどうしてばあちゃんのことを書こうと思ったかという話だけど、ついこの前ばあちゃんの誕生日だったから久々に電話をしまして。今日誕生日だったよね?って私の問いかけに衝撃

        近すぎると見えなくて、綺麗すぎると怖いもの

          素敵な人に出会えたよって話

          こんな寒いのに早朝から人身事故で詰んでる。早くしないと一限間に合わないのに。てかあいつ今日出席取るって言ってたよな?マジで最悪なんだけど。までも思い出して良かった。しかしなんで今日なのかなぁ… 田舎のそこそこのターミナル駅は大勢の人でごった返していて人臭さに息が詰まる。慣れた手つきでスマホを開き、いつものSNSに一通り目を通し終え、早速手持ち無沙汰な時間が流れる。隣のオジサン臭い。勘弁してよ本当。 あー違う違う、出席カード取っといてって学科の子にLINEすんだった。 つーかし

          素敵な人に出会えたよって話

          野球中継

          子どもの頃、将来の夢は何ですかって聞かれたら迷わずケーキ屋さんって答えてた。ケーキが好きだから。今なりたいのは、ラジオパーソナリティ。(第二希望:何らかのキャッチコピーをつくる人、第三希望:直木賞受賞作家、第四希望:YouTubeの概要欄でひたすら動画と関係ない物語をつくって投稿する、概要欄委託会社とか。なさそう。) 要するに言葉を扱っていろんな人に共感してもらいたいんだと思う。目で拾ってもらえるような書きおこした文章だけじゃなくて、それこそラジオパーソナリティなんかは表情や

          人工的キンモクセイ

          ふと鼻をくすぐる金木犀の匂いは誰のものでもあってはいけない。自然に咲いた金木犀の匂いでそれぞれが記憶を巡らせて、毎年一瞬しかない季節を感じる。私はあの匂いを嗅ぐといつも必ず若干の寂しさと灰色を感じる。香水ならトップノートが寂しさ、ミドルノートが灰色の寒空、ラストノートでやっと秋のワクワクが来る。ラストにたどり着くまで香水ほど時間かかる訳じゃなくてほんの数秒だけど。うまく香水に繋げられた気がするからここからが本題で、金木犀の甘い独特な香りの「エモさ」を売りにして、様々なブランド

          人工的キンモクセイ

          暇×不自由=退屈

          退屈 田舎、家庭、恋人、仕事、生活、、、 わかりきった未来には希望がない 多くの人は有り余る時間の中でループする日常の飽きを退屈とみなす 不自由さの中に道を見つけられる人が退屈から脱出できる 注:この脱出方法に多額のお金が絡むようであればそれ最高の手段とは別物 だって退屈と金額は連動しないから 知らない土地に大きな期待はしてないけど、未経験に足を踏み入れる楽しさを知っているから、今日も散歩をする 注:夜道には気をつける 『期待しない』ことをポジティブな言葉として捉え

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          音楽と記憶、小6で覚醒

          当時作ったプレイリストをひっぱり出してきて再生する。ハマった曲は飽きるまでぐるぐる聴くタイプだから、余計にその時の季節とか気候、悩み事までも詳細に思い出せる。今日はここ最近思い出した中で一番古い記憶を書く。 都内某私鉄で乗り合わせた酔っ払いのおじさんが大音量で聴いてた、AKB48の『GIVE ME FIVE!』という曲。一世を風靡した平成アイドルの有名な卒業ソング。当時駄菓子屋に行けば必ず購入していた非公式のブロマイド。彼女らの熱狂的な人気とあの時通いつめた駄菓子屋までの道

          音楽と記憶、小6で覚醒

          恋愛脳

          私は 人生おいて恋愛に占める割合が人より多いと思う モテるとか出会いがあるとかそういう事じゃなくて ただこれまで自分自身が経験した出来事を思うと いつも背景に恋人がいたり、恋人がいなくても恋愛的な感情を持った相手がいたり、失恋してこの世の終わりみたいな絶望の日々を送っていたり 加えて私は仕事とかプライベートとか対人関係とか とにかく何でも上手くいく時はなぜか恋愛もうまくいってる傾向がある。逆も然り まだ人生20数年目のガキのくせに、人は愛するために生まれてきたってあなが

          愛は他人と

          最近良く耳にする、 某有名マッチングアプリの広告キャッチコピー SNSでは「他人となんて当たり前だろ」「怖い」「意味分からん」とか言われてて 確かに他人を愛することは当たり前だよなーとは思いつつ、私はどうしようもなくこのキャッチコピーに感銘を受けてしまった。 今やマッチングアプリをきっかけに出会って 交際・結婚なんて話は珍しくも何ともない。 出会いの幅と恋愛の視野が広がった一方で、まだまだ馴染みのない、マッチングアプリから始まる恋愛 企業イメージを保ちつつ、これまで

          愛は他人と

          ノンアルビールで酔える人

          酔うために飲むか飲むために酔うか (早口言葉?) お酒が好きって一口で言っても いろいろタイプがあると思ってて ・お酒(の味)が好き ・酔うのが好き ・飲み会が好き ・お酒で酔う人を見るのが好き とかなんとか、 その他諸々 私はお酒、多分強い方で よく飲む っていうかほぼ毎日飲む お酒そのものの味が好きなのは本当だけど、 酔うためのツールとして好んでるのも事実 ノンアルビールはアルコールがない(酔えない)のに ビールと同じ味だから嫌い。それ飲むくらいなら水飲む

          ノンアルビールで酔える人

          我慢した先にあるなにか

          「好きなことして、生きていく。」 およそ誰もが耳にしたことのあるこのフレーズ 社会人になってから、この生き方に憧れて某SNSを生業として生計を立てたいと思う人の気持ちがわかるようになった 好きを仕事にしたいと思うのは当然、好きなことだけして生きていきたいと思うことは全然 だって1日8時間も苦痛に値する時間を過ごしたくない そもそも、 多分、誰だって、好きなことだけをしていたい。 「不労所得」ってワードだけで大した勉強もせずに集まってくる人たちにローンを組ませて家を

          我慢した先にあるなにか