簿記三級落ちた。

世間知らずの僕は簿記三級を舐めていた。
試験を目的地とし、根拠のない自信を追い風に不合格の航路を突き進んでしまった。

簿記三級の僕のイメージとして資格取るならとりあえず簿記でしょ。みたいな軽いテンションで語られるためただの尻軽な資格であるとそういう印象を持っていた。実態は合格率30-40%とかいう決して誰でも受かるという資格ではなく僕のような頭の悪い童貞は門前払いを食うギャップのある資格だったのだ。
そんなギャップに惚れてしまった僕はなんとなく簿記三級取得を目指した。あわよくば二級に繋がればいいなって思ってた。

簿記三級は僕からすれば清潔感のある普通の子だった。その子を僕のものにする為にめっちゃ頑張りたいってわけじゃない。最低限の労力で手に入れたい。だから自分磨きを怠ってしまった。

なんとなくの一通りの勉強を終え、ネット試験の模試を解く。しかし解くたびに自分を見失い己の困惑が混沌を呼び、点数が右肩下がりに推移した。
例えるならデートの前なのに日に日に肌が荒れて、焦っていつもはしないようなケアをして更に肌のコンディションが悪くなっていくような感じであろう。結局右肩下がりなこの流れが受験前日まで続いた。
これは頭のいい奴曰く、簿記を暗記でしているからだと。そんなことを言われてもぼく童貞だし、なんもわかんないし。

当日の天気は曇っていた。良き心象描写かな。僕の心もまさに曇天であった。
しかし、試験では僕の頭はいつも以上の働きを見せた。
こう見えて本番には強いタイプなのだ。本番になると僕の脳は120%のポテンシャルを見せ、受験ではまさに別人のようなペン捌きを人に見せつけてきた。今回は打鍵が間に合わないほどにまるでフィギュアスケートの選手のようにように僕の頭は周りに回った。
ネット試験のため印刷ボタンを押して試験終了。
受かった確信はないが、いつもの点数より高い確信はあった。

しかし点数は40点だった。合格点は70点だ。右肩下がりのトレンドに見事に乗りつつ、大差をつけフィギュアスケートのように見事な滑りを見せてしまった。

やれやれだぜといった具合に会場から出ると、結構マジで心象描写にしてはやりすぎなくらい強風と雨だった。そこまで凹んでねえよと思いながら家へ帰ろうとするも、風が強すぎて自転車が進まない。そこらの道路には風の助けで遠征してきた看板がいくつか落ちていた。危険性を認識し、駅前の広場で雨に打たれながら立ち往生してると人の上が覆われてるタイプの電チャリが倒れ、上を覆っている部分が帆の役割を果たし、加速しながら僕めがけて突っ込んできた。かろうじて僕はかわしたもののそこにつっ立っていたポールとぼくの自転車のタイヤが犠牲になってしまった。

こういう心象描写に似合う感情は一体どんなものだろう。プライドも自転車のタイヤも失った僕は悲劇のヒロインとはこういうものだろうと、雨に打たれながら重い自転車を押し、トボトボと家路に着いた。

結論二級に繋がる勉強をする上で大切なのは簿記を暗記で終わらせないこと。何をしているのか何のためにこの仕訳をしているの考えること。それを忘れると隙の糸が出てしまう。みんな勉強がんばろう。






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