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美容室で指名する/しない問題

髪を切ってもらうのが苦手である。
散髪中の過ごし方に迷う、仕上がりイメージが思っていたのと違うなど、入店から退店まで不安要素がいろいろあるからだ。
一方で、シャンプーの時間は好きで毎日してもらいたいくらいだ。


散髪中の過ごし方については悩む人は多いのではないだろうか。会話をするべきか黙って大人しく切られているべきか。最近は美容室側も工夫をしてタブレットで雑誌が読めるようになっていたりするが、頭が下がって支障はないか?読んでいる雑誌から趣味嗜好がバレるのじゃないか?と差し出されても躊躇して手に取れない。
私に至ってはあまり自己開示が得意ではない人間なのでその性格も美容室での過ごし方の障壁となっている。


仕上がりイメージの伝達も難しい。HotPepperには髪型がたくさん載っているがどれもヘアモデルの素材が良すぎる。え、その顔面でこの画像見せてくる?って思われたくないし、たとえ同じ髪型になれたとしても、顔のパーツ×毛量×髪質といった諸々の個人差でだいたい思い通りの姿にはたどり着かない。
ただ、これに関しては美容師さんはいつも頑張ってくれている。こちらの容姿が及んでおらず申し訳ないということである。


まあ流石に20年強生きていると、どの髪型のオーダーがいい仕上がりになるかはだいたい掴めてきた。近年は後者の課題は解消しつつある。





今回の本題であるが、美容師さんを指名する / しないの問題についてである。


誰かを指名するという文化は日常でなかなかない。だから美容師を指名するとなると緊張する。多くの人にとって人生初指名は美容師さんなのではないだろうか。
私はこれまで美容師さんおまかせのスタンスでいつも散髪に訪れていた。おまかせのメリットはこんな感じである。あまり会話したくない私にとっては2つ目の要素に助けられている。

<美容師さんおまかせのメリット>
・同じオーダーでも美容師さんごとの味が出る。
・あまり会話しなかったとしても一期一会な感じで許される感がある。
・誰でもいいスタンスなのでいろんな美容院に入りやすくなる。


一方でこんなデメリットもある。


<美容師さんおまかせのデメリット>
・美容師さんの味が自分の理想と逆の方向に出ることもある。
・いつまでも美容院に馴染めない感。
・美容師さんが気を遣って話しかけてくれたりするがぎこちない感じになる。


かつて、初めてあたった美容師さんに「アニメ好きですか?そんな感じがして」と開口一番に言われ、「そんなアニメ好きに見える外見なのかな…」とショックを受け全く会話できなかったことを覚えている。
思い返すと美容師さんに悪気はなく、むしろ会話のキッカケとして博打的にアニメというコンテンツをぶつけてきてくれていたのだが、当時の私は瞬間的にそれに対応できなかった。情けないことである。それにアニメ好きに関する偏見もよくない。


という感じで美容師さんのおまかせは一長二短な感じである。


そんな私であるが、社会人になって初めて指名というものを実現できた。
ずっとおまかせで予約をしていた美容室で、たまたま同じ美容師さんが連続で自分につき、髪型の仕上がりもイメージ通り、さらに同世代ということもあり会話しやすかったことがキッカケである。


指名をしてみてメリットがかなりあるなと感じられた。



<美容師さん指名のメリット>
・入店時に野良で入った感じがなく、アットホームな感じで迎え入れてもらえる。
・2回目以降は仕上がりのイメージが事前に共有されている(はず)。
・次来たときは〜の会話ができ、会話の内容に厚みが出る。

こういった出会いもあり美容室に行きやすくなったのもつかの間、その美容師さんが別店舗に異動となってしまった。最寄り駅からは遠く、わざわざ追って通うのも…と思い、結局疎遠になってしまった。新店舗は人通りも多いから担当顧客が減ってしまうという心配はないはず…。指名のデメリットというと別れの際の精神的ダメージである。


こうしてまた美容師さんおまかせに戻ってしまった私。美容室に行くもアットホーム感はなく、会話はぎこちなく、仕上がりは日によりけりである。困った。

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