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2024/3/9 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週は、2月 ISM非製造業景況感指数(3/6)、パウエル議長議会発言(3/6)、ECB政策金利(3/7)、2月 雇用統計(3/8)について簡単にまとめてみました。



① 2月 ISM非製造業景況感指数 3/6


✅ 結果 52.6 前回 53.4 先月比 ▲0.8

⭕ サービス業の総合は52.6と予想(53.0)を下回る。景況感は引き続き高いが、2月は価格と雇用の低下が大きく、インフレ懸念はとりあえず鈍化しているが依然高水準。

● 新規受注 56.1 (+1.1p)
● 生産 57.2 (+1.4p)
● 雇用 48.0 (▲2.5p)
● 価格 58.6(▲5.4p)

●「ビジネスは順調だ。インフレは抑制されており、低下傾向にあります。商品価格の上昇ペースは鈍化している。製造業は好調で、近い将来に変化の兆しは見られない。」[小売業]

「労働力の需要は引き続き最も高まっています。適任で利用可能な乗組員や管理スタッフを見つけるのは(依然として)困難です。真鍮の継手と電気機器のリードタイムは依然として非常に長いです。」【ユーティリティ】

「これまでのところ、企業活動は緩やかに増加しています。サプライヤーの充填率の向上と安定した価格設定により、企業が春と夏の販売シーズンに向けて準備する中での在庫補充レベルが増加しました。」[卸売業]

出典元 ISM Reports 2024/3/6



② パウエル議長議会発言 3/6


⭕ 初志貫徹、慎重な姿勢を崩さない事を今一度表明。これでもかと言う証拠が出るまで、利下げゴーサインは出ないという事です。

 6日に下院金融委員会で半期に一度の議会証言に臨んだ議長は、「年内いずれかの時点で」利下げを開始するのが適切になる可能性が高いとしつつ、当局としてまだその用意はないことを明確にした。
  ここ数週間、ほぼ全ての金融当局者からパウエル議長と同様の発言が一貫して聞かれている。経済と労働市場は強く、政策当局としては利下げをする前にインフレが目標に戻っていることを示す証拠が増えるのを待つ時間があるという認識だ。
  パウエル議長は、「連邦公開市場委員会(FOMC)は、インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信が深まるまでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを引き下げるのは適切ではないと考えている」と発言。証言後の質疑応答で、「慎重に、かつ熟慮して」利下げの判断に臨むと述べた。

出典元 Bloomberg 2024/3/7



③ ECB政策金利 3/7


  1. ⭕ 3/7、ECB(欧州中央銀行)は主要政策金利維持すると決めた。

主要政策金利 4.50%
預金金利(下限) 4.00%
貸出金利(上限) 4.75%

⭕ 今回、ラガルド総裁は6月利下げの可能性も示唆しました。直近のインフレ率は2.6%と鈍化しており、失業率が6.4%と高水準が1年近く続いている事を考えれば「そろそろ利下げしたい」という思惑は読み取れます。

我々は主要金利を据え置いた。我々の過去の利上げはインフレを押し下げるのに役立っている。今後の決定は、経済とインフレがどのように推移するかによって決まる。

We kept our key interest rates unchanged
Our past interest rate hikes are helping push down inflation. And our future decisions will depend on how we see the economy and inflation developing. 

景気はまだ弱いが、徐々に回復するだろう人々の消費は減り、企業の商品やサービスの輸出は減少している。しかし、インフレ率が下がり、賃金が上がれば、人々の消費は増える。これが経済を支えるだろう。

The economy is still weak but will gradually recover
People are spending less, and companies are exporting fewer goods and services. But as inflation comes down and wages increase, people will have more to spend. This will support the economy.

インフレ率はさらに低下したエネルギーは1年前よりはるかに安くなり、食料品価格もそれほど高くはなくなった。しかし、賃金上昇により、その他の商品やサービスの価格は高止まりしている。

Inflation has fallen further
Energy is much cheaper than a year ago, and food prices are no longer going up as strongly. But rising wages are keeping prices high for other goods and services.

出典元 European Central Bank



④ 2月 雇用統計 3/8

✅ 非農業部門雇用者数 +275,000人(予想+200,000人)
✅ 失業率 3.9%(予想3.7%)
✅ 平均時給増減 +4.3%(予想+4.3%)前年同月比

⭕ 雇用者数が市場予想を上回る伸びとなる。前月は229,000人増(速報値353,000)に下方修正。失業率上昇の一因は、労働市場に参加(働く意思を持つ)したもののすぐに職を得られない人が増えたことにある。平均時給上昇率は前年同月比、先月比ともに鈍化。

⭕ 今回の結果は強弱まちまち、堅調であるが減速感も感じられ、市場には前向きに捉えられた。日米の金融政策決定の観測がやや加速し(日本は利上げ、米国は利下げ)円高ドル安に傾いた。


⑤ 重要経済指標のおさらい

作成 ぼなんざ本舗研究所
作成 ぼなんざ本舗研究所



⑤ 政策金利予想  3/9

✅ 2024/3/20、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定に於いて、市場参加者の意見は「金利据え置きが96.0%」【5.25-5.50】

✅ 利下げ観測
★ 2024/3/20 「4.0%」
★ 2024/5/1 「24.0%」
★ 2024/6/12 「73.4%」

出典元 CME FedWatch Tool



⑥ まとめ


⭕ ISM非製造業景況感指数、雇用統計ともに減速感が感じられ、6月の利下げ観測が強まった。


⭕ 今週、ビットコインが日本円で、1BTC=1000万円を超えました。ちょうど1年前の2023/3/9は約278万円
 2024年がマイニング報酬の半減期の為、買い増しをしている人が多いのか?(半減期の翌年は上昇傾向にある)

出典元 Nikkei225

⭕ 以前から個人的に「そろそろでは?」と考えていた「エヌビィデアの株式分割」がやや現実味を帯びてきた。
(前回は2021年5月、4分の1分割)

 小口投資家が参入しやすくなることは、現行保有者にとってグッドニュースであると考えます。

 



⭕ 3/19(火)、日銀政策金利決定会合でのマイナス金利解除観測が高まり、円買いが進みやや円高へ振れている。

 個人的には4月と考えているが、日銀の観測気球により、意外に多くの市場参加者が反応している状況。



🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)3/9現在

★ 米国10年債利回り 4.077%(3/2 4.186%)⤵
★ 日本10年債利回り 0.728%(3/2 0.710%)⤴
★ 1ドル=147.096(3/2 150.117円)⤵
★ 原油(WTI)1バレル=77.85ドル(3/2 79.81ドル)⤵


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 3/9現在

★ 
NYDOW 38,722 ▲0.93%(先週比)+0.13%(先月比)
★ S&P500 5,123 ▲0.26%(先週比)+1.93%(先月比)
★ NASDAQ 16,085 ▲1.17%(先週比)+0.59%(先月比)
★ 日経平均 39,699 ▲0.53%(先週比)+7.59%(先月比)

🔅 来週の経済指標

3/12 米国 2月 消費者物価指数CPI
3/14 米国 2月 小売売上高
3/14 米国 2月 生産者物価指数PPI


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