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2023/4/8 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週の米国の重要経済指標を簡単にまとめてみました。利上げマップへの影響の大きい指標を分析します。


① 3月 個人消費支出 PCE 3/31

✅ PCEデフレーター 
 結果 +5.0%  先月 +5.3%
✅ コアPCEデフレーター(食品とエネ除く)
 結果 +4.6%  先月 +4.7%

⭕ 個人消費支出PCEデフレーターはFRBが重要視する指標といわれています。先月実績や市場予想をわずかに下回りましたが、依然高水準であり、米国民はお金をジャンジャン使ってます。

⭕ シリコンバレー銀行の経営破綻を受けて、銀行間のお金の動きがタイトになった事で結果的に「引締め効果」となり、今回のPCEでインフレ鈍化が見られたことにより、FFレートのピークが見えてきたとの意見が多い。

米国PCEデフレーターは、個人消費支出(PCE)の価格変動を測る指標で、米国のインフレ率を判断するためにFRBが重視しています。
 
 数値は名目個人消費支出を実質個人消費支出で割って算出されます。その数値の変化率がプラスであればインフレを示し、マイナスであればデフレを示します。CPIと比べて調査対象が広く、指数の計算方法も異なります。


② 3月 ISM「製造業」景況感指数 4/3

 米供給管理協会(ISM)による製造業PMIが発表
結果 46.3 
前回 47.7 先月比-1.4

⭕ 雇用-2.2減少。製造業現場担当者は「不景気」に備えています

⭕ 結果46.3はコロナ時の水準(2020年の5月)まで落ち込みました。
利下げ時期が年内に織り込まれる。

出典元 Institute for Supply Management: ISM

③ 3月 ISM「非製造業」景況感指数 4/5

 米供給管理協会(ISM)による非製造業(サービス業)PMIが発表
結果 51.2 
前回 55.1

⭕ 新規受注が 62.6→52.2(先月比-10.4ポイント)と大幅に下落。予想以上な需要の急激な減速が見られる。


④ 3月 雇用統計 4/7

✅ 非農業部門雇用者数 +236,000人(予想+230,000人)
✅ 失業率 3.5%(予想3.6%)
✅ 平均時給増減 +4.2%(予想+4.3%)

⭕ 雇用者数は市場予想を上回り増加し、失業率は過去最低水準に低下。平均時給はやや弱まったが、労働市場は相変わらず堅調で、次回FOMCでの利上げ観測が強まった形になりました。

⭕ 雇用統計は遅行指標に分類される為、ISM景況感指数の結果を見れば「既に折り返し地点を超えた」とする見方もあります。雇用統計が減速するまではFRBは金融引締め継続となるでしょう。


⑤ 悲報! OPECプラス原油協調減産 4/3

✅ 市場の不意を突いた協調減産発表により、原油価格が1バレル80ドル(WTI)まで上昇。

⭕ パウエル総統閣下はそうとうカッカはしているでしょうw
⭕ OPECプラスとしては「相場の安定、金融不安と不景気を据えての減産」と考えられる為、減産をしなければ相場はもっと下がっていた可能性もあるとの意見もある。

減産発表に先立ち、OPECは今年下期には生産を減らすのではなく、増やす必要があることを示唆していた。国際エネルギー機関(IEA)は需要が今年これから急増すると見込んでおり、市場の不意を突いたOPECプラスの減産で世界経済に新たなインフレリスクが持ち上がっている。

出典元 Bloomberg 4/3

⑥ 利上げマップ 4/8

✅ 今週の米国経済指標を受け、5/3開催のFOMC(米国連邦公開市場委員会)での政策金利は+0.25%の利上げとなるのが大方の予想です。

CMEのFedWatch ツール




⑦ まとめ

⭕ 個人消費支出(PCE)やISM景況感指数は減速傾向が見られ、インフレ鈍化が継続的にみられFFレートのピークが見えてきたとの意見が多い。

⭕ FRBとしては雇用統計が継続的に減速するまではアクセルを緩めず、利下げ観測をしない。

⭕ 順調なディスインフレと景気後退への軟着陸を目指していたところに、4/3、OPECプラスの不意打ち原油協調減産発表により今週はWTIは1バレル80ドルまで上昇。 

 インフレリスクが再燃、スタグフレーションへの警戒が強まってます。特にユーロ圏は厳しい状況が予想されます。

⭕ 5/3開催のFOMC(米国連邦公開市場委員会)での政策金利は+0.25%の利上げとなるのが大方の予想です。

✅ 来週の重要指標
4/12(水) 3月消費者物価指数CPI
4/13(木) 3月生産者物価指数PPI
4/14(金) 小売売上高


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