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2024/2/10 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週は、ISM非製造業景況感指数(2/6)、メタ決算、S&P500指数5000超え、について簡単にまとめてみました。



① 1月 ISM製造業景況感指数 2/6

✅ 結果 53.4 前回 50.5 先月比 +2.9

⭕ 総合は53.4と予想(52.0)を大きく上回る高水準の結果となった。サービス業は安定しており、製造業の好調さも相まって、実際に3月の利下げ観測を大きく遠のいた。

 雇用が+6.7ポイントの50.5と強く伸び、拡大領域に入り今後の景況感の上向きを示している。

 仕入価格が+7.3ポイントの64.0と大幅に上昇。インフレ率や賃金上昇率にどれだけ影響を与えるか。


② メタバースを諦めなかったメタ


⭕ 2/2、フェイスブックを運営するメタの決算に多くの人が驚いたのではないでしょうか。2021年に仮想通貨リブラ(ディエム)が米当局から承認されなかった事や社名変更以降は落ち目が続いていましたが、2023年は最高のパフォーマンスを発揮しています。

 VR(仮想現実)は業界として不発であるという認識や、広告収入の減少などマイナス面の印象が強く、日本人としてはSNSと言えばどちらかというとX(旧Twitter)という印象がありますが、世界29億人の月間アクティブユーザーを誇るFacebookはやはり巨大で、VR業界のパイオニアとして期待をされている事は明確といえるでしょう。

メタは2023年10-12月期(第4四半期)の好決算を受けて2日に株価が20%急上昇した。併せて自社株買いの増額と、同社初となる配当実施も発表。昨年3倍近くに上昇していた株価が一段高となったことで、時価総額は再び1兆ドル(約149兆円)を突破。米アップル、米マイクロソフト、米ネット通販大手アマゾン・ドット・コム、米画像処理半導体(GPU)大手エヌビディア、米グーグル親会社アルファベットという数少ない仲間に再び加わった。
 フェイスブックから社名を変更したメタは、ザッカーバーグ氏がメタバースへの関心を示し始めた21年後半に、不本意にもこの「1兆ドルクラブ」から追い出された。メタバースは、仮想現実(VR)・拡張現実(AR)機能を備えたデバイスなどを通じてアクセスする仮想空間とされている。同社が社名変更や、年間設備投資額を80%近く増やすなどの思い切った決断をすると、株主は懸念を強めた。VRはそれまで、業界としては不発に終わっていた。だがフェイスブックのCEOであり支配株主でもあるザッカーバーグ氏は、この夢を追うのをやめなかった。

出典元 WSJ 2024/2/6
出典元 楽天証券

③ S&P500が5000超え

⭕ 1957年から現在の形となったS&P500指数。2/9の終値でついに5000の大台に乗りました(5,026.61)
 直近のマグニフィセント・セブンの好決算、AI関連銘柄の好調により数値は爆上がりしました。

 特に好決算銘柄の高騰率が今までより抜群に高く、英半導体設計大手アーム・ホールディングスが7日発表した決算により、同株価は前日比48%上昇と胸湧き踊る結果に。孫正義さん大喜び。

< S&P500指数の経緯 >
1957年 39.99
1970年 92.15
1980年 135.75
1990年 330.22
2000年 1,320.28
2010年 1,257.64
2020年 3,756.07 
2024年 5,026.61(2/9)

※ 正式名称をStandard & Poor's 500 Stock Indexといいます。

 9日の米株式市場でS&P500種株価指数は4日続伸し、終値で初めて5000の大台を上回った。利下げへの期待感や堅調な企業業績が株価を押し上げている。
  経済ソフトランディング(軟着陸)への楽観と人工知能(AI)を巡る高揚感に押され、株式相場は過熱感を巡る慎重論を跳ね返して前進を続けている。
  投資会社サンダース・モリスのジョージ・ボール会長は「S&P500種は米企業の収益力と米経済の力強さに対する信頼度を示す最も優れたバロメーターだ」と指摘。「S&P500種の方向性は、経済と収益が改善しているのか悪化しているのかを反映している」と語った。

出典元 Bloomberg 2024/2/10

④ 重要経済指標のおさらい

作成 ぼなんざ本舗研究所
作成 ぼなんざ本舗研究所

⑤ 政策金利予想  2/10


✅ 2024/3/20、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定に於いて、市場参加者の意見は「金利据え置きが84.0%」

★ 2024/3/20の会合で「16.0%の市場参加者は利下げを観測」
(2/3の観測では38.0%)

★ 2024/5/1の会合で「60.7%の市場参加者は利下げを観測」
(2/3の観測では83.8%)

出典元 CME FedWatch Tool

⑥ まとめ

⭕ 前回のFOMCでの声明により、金融引締め(利上げ)方針は完全に消え、金利調整や、バランスシート調整、利下げ時期の議論へと移った。

⭕ 非製造業の景況感が予想外に上向き、3月の利下げ観測は大きく後退したが、「どちらにしろ5月以降」という結論を既に織り込んでいる為「単純に景気が良い」というグッドニュースともいえる。

 また、インフレが落ち着き、米国経済の景気後退が予見され始めれば「利下げの余地が大いにある」という強みもあり、2、3年は米国経済は安泰を考えられる。

⭕ そして、未来の経済へのの楽観視とAI期待の高揚感の結果、S&P500指数が5000超え。

⭕ 2/8、日銀内田副総裁が「どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していく」と表明した事により、ドル円為替は円安へと少し振れた。

 日本は欧米とは全く異なった経済状況で有り「リフレ」を実現する為には当面は当然の判断と言えます。


🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)2/10現在

★ 米国10年債利回り 4.177%(2/3 4.024%)⤴
★ 日本10年債利回り 0.720%(2/3 0.655%)⤴
★ 1ドル=149.257(2/3 148.358円)⤴
★ 原油(WTI)1バレル=76.60ドル(2/3 72.41ドル)⤴


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 2/10現在

★ 
NYDOW 38,671 +0.04%(先週比)+2.55%(先月比)
★ S&P500 5,026 +1.37%(先週比)+5.15%(先月比)
★ NASDAQ 15,990 +2.31%(先週比)+6.82%(先月比)
★ 日経平均 36,897 +2.04%(先週比)+5.27%(先月比)

🔅 来週の米国経済指標

2/13 1月 消費者物価指数 CPI
2/15 1月 小売売上高
2/16 1月 生産者物価指数 PPI


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