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小諸「寅さん・第40作」の聖地巡り

小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ(島崎藤村)


第40作となる「男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日」(昭和63年12月)で、由紀を演じる三田寛子さんが言う「 遊子とは寅さんみたいな人のことを言うのよね」・・・みたいなセリフが頭に残っていたので、小諸の旅は「第40作」の聖地巡りとなりました。ちなみに遊子とは、故郷を離れて旅をしている人を意味するそうです。


遊子とは寅さんのこと

最初に「渥美清 こもろ寅さん会館」を訪れました。2013年に閉館していましたが、どんなたたずまいでいるのか、それを一目見たかったからです。閉館してしまったとはいえ、金の寅さん像はそのままで、庭も朽ち果てた様子がなかったので安心しました。


閉館しても寅さんは生き生きしていた

山田洋二監督はことのほか、佐久や小諸を気に入っていたといいますが、そんな監督の愛を受けてか、小諸には寅さんファンが多く、今でも映画上映会が行われているそうです。


「そば七」の女将による作品

また、小諸を走る人力車の車夫を務めるお兄さんは「寅さんを語り始めたらとめどもない」(小諸駅の観光案内所)と言われているとか。私は会えませんでしたが、小諸を訪れるご予定のある方は、ぜひ熱く語り合ってください。


人力車のきらく屋さんと寅さんを語り合って!

さて「第40作」とは以下のようなストーリーです。

第40作 (昭和63年12月 公開)
男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日

信州小諸、①駅前で知り合ったお婆さん(鈴木光枝)の家に泊まり、昔語りを聞く寅さん。翌朝、医師・原田真知子(三田佳子)が、お婆さんを②病院に入院させるためにやってくる。重病のお婆さんは、寅さんの説得でなんとか入院し、真知子は寅さんを御礼にと家に招待する。くるまやに帰った寅さんは、満男の大学受験の下見ということで、真知子の姪・由紀(三田寛子)を早稲田大学に訪ねる。さらに真知子も息子に会うために東京へ。寅さんにとって幸福な日々となる。

第40作 男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日|松竹映画『男はつらいよ』公式サイト (cinemaclassics.jp)より抜粋。


ここに出てくる①駅前、②病院を確認しました。駅前は再開発で当時の面影はなくなりましたが、医師・原田真知子が勤務していたという設定の小諸病院は現存していました。 

小諸駅前で寅さんはお婆さんと出会う
人の往来で賑わったアーケードも今はなく


原田医師(三田佳子さん)と寅さんが肩を並べて歩いた商店街


第40作の舞台となった小諸病院


大正年間にできたアーリーアメリカン建築


ちなみに、小諸駅の観光案内のお姉さんは、映画の中に出てくるお祭りのシーンで、「太鼓をたたく子ども」として映り込んでいるとのことです(ちなみに以下のサイトの予告編でも太鼓のシーンが出てきます)。ポンシュウとスニーカーを啖呵売りした健速神社はとてもいい神社だと思いました。訪れたのは、ちょうど草を刈った後だったので、青い匂いが心地よかったです。


啖呵売りをしたという健速神社
お祭りでは神輿を担ぎながら一気に駆け下りる階段
雑草刈りたての清々しい境内


【番外編・しなの鉄道小諸駅】

駅前こそ再開発されましたが、駅の改札は昔ながらのたたずまいを残しています。待合室には移設された「115系ボックス座席」には昭和の旅の懐かしさが。「小諸駅部品市場」では「吊り革」まで売られていました。


昔ながらの佇まいを残す小諸駅改札
「115系ボックス座席」と旅行者
吊り革1000円也


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