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ココ・シャネル、世界《スタイル》をつくりなおすデザイナー

ガブリエル・シャネル。愛称はココ。表参道や銀座にある店とそのブランド、シャネルをつくりだした、20世紀に生きた人……

というだけではないらしい。

今やあまねく安価で普及されている、ジャージ素材、黒いワンピース、プリーツスカート、模造品の宝石イミテーションジュエリーをつくりだした人だそうだ。

当時、かさばるドレスや大量の宝石でかねの檻に自ら入り込みにいくその奴隷のような精神を、幼少期は孤児院で育った彼女は否定し、支持をとりつけたのだ。彼女は富とファッションを切り離してみせた。

偉大なデザイナーにしかできない、世界《スタイル》をつくりなおす業だ。彼女はこういった。

シンプルで、
着心地がよく、
無駄がない。
私はこの三つのことを自然に、新しい服装に取り入れていた。

山口路子「ココ・シャネルの言葉」

その精神は、いまや星に伝搬し、アスレジャーという運動競技場アスレチックにも旅行レジャーにも行けるようなファッションスタイルに大きな影響を及ぼしているようにもみえる。

アスレジャーの精神については絵を描く都合でファッション史をあさっていた僕もいたく感激し、THE NORTH FACEやワークマンプラス、無印良品でいろいろ服を買い変えたほどだ。

オタクにすら影響を与えるファッション界のリーダーがいるなんてこれまで思いもしていなかった。

こうして世界をつくりなおす一方で、ジャージ素材含む普遍的なもの、すなわちスタイルをつくり成功を収めていく中で、ピカソを筆頭に、あらゆる芸能界の人、財界の人と交際関係もあり、結局独身を選んだ人でもある。

お坊ちゃんの代表格がダークナイトのブルース・ウェインやそのモデルになったハワード・ヒューズなのだとしたら、お嬢様マドモアゼルの代表格はまさしくココ・シャネルだろう。

一般人から、遥かなるものを目指した人。そういった意味で、壱百満天原サロメ嬢と方向性は似通っているのかもしれない。

お嬢様マドモアゼルであるとは、与えられたものだけの特権ではない。自らの手で獲得するものもごくわずかにいる。さながら僕のヒーローアカデミアのオールマイトや緑谷出久が無個性からヒーローになったように。

この本は、ノリと勢いで買った。オタクの自分が読んでてもおもろいなぁ……と思ってしまった。

これがほんとのデザイナー、そしてお嬢様マドモアゼルなんだな……


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