出物嫌われ者所構わず
〔解説〕
元のことわざは「出物腫れ物所嫌わず」だが、いつの頃からか物から人間に変わってしまった。
まず、元のことわざ「出物腫れ物所嫌わず」について。
出物とは体から出る物で、大便や小便、屁、涙、鼻水、汗など。腫れ物は言うまでもなく吹き出物で、にきびなども含まれる。
そして、出物はともかく、腫れ物は顔であろうが尻であろうが、また、正月であろうが盆であろうが、都合が悪かろうが良かろうが、お構いなしに出てくるということを言ったものだ。ことわざによくある例えなどではなく、そのものをストレートに表している。
そして「出物嫌われ者所構わず」だが、「腫れ物」が「嫌われ者」に置き換わったのだから容易に察しがつくであろう。
〔さらに解説〕
嫌われ者がどういう人たちのことか説明するまでもないが、本辞典は親切なので、一応主だったものを挙げてみる。
人の話を聞こうとしない。そのくせ自分の意見は強引に言う。
人を褒めない。それどころか中傷したり悪口を言ったりする。
約束を守らないなどは日常茶飯事で、嘘や言い訳が得意。
簡単に人を裏切るうえ、告げ口で相手側に媚びたりする。
考え方が陰険で、他人を巻き添えにして落ち込ませる。
周りの人を尊重しないばかりか人をむやみに批判する。
自意識過剰でプライドが高い。
わがままで協調性がなく、調和を乱す。
その他ケチ、乱暴、スケベなど。
というような人物で、いつでもどこへでも、なんの臆面もなく顔を出す。もし周りにいたらできる限り距離をとるほうがいい。
なお、人によっては美人やイケメンに敵対意識を持つ場合もあるが、多くの場合は嫉妬であり、ここで言う嫌われ者とは異なる。
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