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FDって大して万能ではないんですよ

近年の鉄道では駅にホームドアを設置している会社が増えていますね。ホームドアが設置されることで、列車と人が接触する可能性を低減でき、更に軌道内に転落することも避けられます。安全運行に貢献することから、設置されているホームドアですが、決して万能では無いのです。
ホームドアのついている駅で、駅員や乗務員から「黄色い線までお下がりください」と何度も放送されている様子を見ることがあると思います。中には「何度もしつこい」と感じる人もいるとは思いますし、「ホームドアより下がっていれば問題ない」と思う人もいるでしょう。しかし駅員や乗務員がこう注意するのには、ホームドアが万能ではないからなのです。
京王や東急が採用しているホームドアは体の半分くらいまでの高さの物です。これだけの高さがあれば転落は防ぐことができます。しかし身を乗り出した場合は列車と接触してしまう危険があることに変わりはなく、ホームドアを飛び越えてしまうことも可能です。実際に副都心線で発生した人身事故は、ホームドアを飛び越えたことによるものでした。
ホームドアが設置されたことで見られるようになった現象もあります。ホームドアに荷物を立て掛けたり、コートなどをかける人です。列車は振動しながら走っていますし、列車が通ることでホーム全体が揺れます。ホームドアが振動することで、立て掛けた物が倒れてくる可能性もあるわけです。また、列車が通過する際の風圧で物が倒れることもあり、コート等の衣服は簡単に飛んでしまいます。そういった危険があるから、駅員や乗務員は何度も注意するのです。
では人よりも高いホームドアを使えば良いかとも思います。しかしそうなると駅を大改造する必要が発生し、扉の開閉時の安全確認にも支障があります。安易に大きくする訳にも行かないのです。
首都圏を中心に一気に設置が進んでいるホームドア。無設置よりは確かに安全ですが、100%の安全が保証できる訳では無いので、結局はホームにいる人が点状ブロックより下がっている必要があるのです。


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