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気付けば月が浮いていた

気付けば年の瀬
何となく実感の湧かない一年だった。

できるだけ人との接触を避けマスクを介しての会話を通した時間が長かったからだろうか。

それでもできるだけ五感を意識し、努めてリアルに生きようとした一年だった。

家族の病気はあまり良い状態とは言えず、薬はあまり効いていないようだ。でもこの一年、仕事を続けることができたし、なんとか山へ行くこともできていた。

闘病を続けることで不自由なこと、不便なことは多々あるが、今までの生き方の、変わらない揺るぎないスタイルがあって、この世の中の不安で粛々とした雰囲気とは違う、安心したものも感じることができた一年でもあった。

生きる、とは。

誰もが何かを感じて、思いを巡らせた一年だったと思う。

季節が巡り、新しい年がやってくる。
変わらずに、流されずに、囚われずに、生きていきたいと思う。

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