近年進みつつある監視社会への警鐘
つい先日、パスポートの申請をした時のことです。
マイナンバーカードがあればオンライン申請ができるとのことで、「マイナンバーカードを作るだけでこんなに便利になるんだなぁ」と感心していました。
申請した後に、審査が通ったかどうか確認しようとマイナポータルにログインすると、サイト内に『やること』というアイコンがあり、1件通知が届いていました。
何か登録し忘れているものがあったのかと思い、開いてみると口座情報の登録が未着手という表示が、、、
うーん、、、。別に間違ったことは書いていないとは思いますが、、、。
『やること』のリストにそれを入れてしまうのか、と思ってしまいました。保険証や口座の登録は個人判断ではないのかなと。
もちろん多くの人が登録した方が効果あるのはわかりますがそれならセキュリティ面でもう少し不安要素を減らしていただきたいですね。
また、顔認証の精度も今は著しく成長しているように思います。この前富士急に行った際に、顔認証のシステムが実施されているのを初めて知りました。すごい技術ですね。
もちろん利便性が向上して、自分もその恩恵を受け取っているくせに何を言っているんだともう方もいるかもしれませんが、このまま人類が、無制限に利便性を追い求め続ける世界はどんな方向に向かっていくのだろうと不安に思うことが最近増えました。
まるで「1984」の世界に近づいているような気がします。
今回紹介する本は、「1984」(著:ジョージ・オーウェル)です。
読書が好きな人は名前くらい聞いたことある人が多いかもしれませんね。不朽の名作であると名高いディストピアSF小説です。
有名な一文ですね。
この本のテーマは監視社会です。
この小説の世界では、いたるところに監視カメラ(ビック・ブラザー)が存在しており、人々の行動を監視しています。人々に与えられる情報はすでに操作されたものであり、言論や思想は管理されます。
こんな思想で育ったとしたらどうなることでしょう。
歴史から教訓を得ようとしても、その歴史こそが改竄されている。ぞっとします。
党は、ニュースピークという新たな言語(英語を簡略化した政治的語彙のない言語)を普及させています。統治をするには言語から。帝国主義の時代を見ているようです。
日本がここまで強固な監視社会に変貌を遂げることはないかなと思う反面、そうならないとは言い切れない、なにか言葉に出来ない不安が胸から消えてくれません。
ジョージ・オーウェルは1949年にこの作品を完成させています。
当時の読者はこれを読んでどう思っていたのでしょうね。
「こんな世界はまだ先のことだろう。」
「今の時代に生まれてよかった。」
確かに1984年にこのような世界になることはありませんでした。
しかし、1949年の段階でここまで解像度の高い未来を描いている著者は、どんな人生を送っていたのか気になりますね。
監視社会、恐ろしい。
※私はマイナンバーカードに対して推進派でもないし、反対派でもないということは理解しながらこの記事は読んでいただきたいです。
マイナンバーカードについては、利便性と危険性を皆さんなりに照らし合わせて考えていただきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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