見出し画像

あなたは何のために生きていますか??

塾の生徒:「推しが引退しちゃって、最近私生きがいがないんですよ。先生は何かあります?」

生きがいになる程に好きな人(推し)ができるのも一つの才能だなと思いつつ、確かに自分は何のために生きているんだろう。中高生の頃も同じようなことを考える時期があったなと懐かしく感じました。

皆さんも、何か明確に生きがいを持って生活しているのでしょうか。

ソクラテスで言うところの、「善く生きる」とか、宗教におけるバイブルのような、明確な指針や目的を持ち合わせている人は私の周りでは少ない気がします。

逆に、「私の生きる目的は〇〇です!」とすぐ言える友達がいたら尊敬すると同時にちょっと引いてしまうかも、、、(笑)

結局その後自分の中で答えは出ないまま漠然と日々を過ごしていましたが、本日紹介する本を読んで、改めて考えさせられました。

今回紹介する本は、「田舎の紳士服店のモデルの妻」(著:宮下奈都)です。

宮下奈都さんは、今年1年で、(生きがいとは行かないまでも)私の推しになっている作家さんです。

初めてであったのは、中学三年生の国語の教科書でした。「羊と鋼の森」という作品で、調律師という言葉の異質さと森の描写だけが自分の記憶に残っていました。

大学生になり、自分で「羊と鋼の森」を購入し、宮下奈都さんの文章からあふれ出る世界観や感性に魅了されてしまいました。

話が逸れましたね(笑)本題に戻ります。

「田舎の紳士服店のモデルの妻」の主人公梨々子は、東京に住んでいました。しかし、夫が精神的な病を患い、夫の地元である田舎に引っ越します。

出会ったばかりの夫は、誰が見ても羨むようなスマートな男でしたが、今の夫にはその面影もありません。2人の子供も成長していくにつれて、あまり話さなかったり、運動会では突然走ることをやめてしまったりと、梨々子を悩ませるようになります。

社会的に見たら、こんな家庭はどう映るのでしょうか。

東京から追い出されたかわいそうな家庭。田舎暮らし。

初めは、梨々子も過去の様相と比較し、社会的な基準で自分や家族を客観視しています。

ただ、田舎に引っ越してから10年が経つ頃に、梨々子は新しい価値観を身に着けていきます。何か急激な変化や事件があるわけではないですが、10年の年月が梨々子に少しずつ影響を与えます。

梨々子は、なにもない田舎で、自分は何をしたいのか考えるようになりました。

竜胆梨々子が生きるのは、ほんの何人かの、梨々子がいなくなったら悲しむ人のためだけだ。

「田舎の紳士服店のモデルの妻」

長々と書きましたが、結局言いたかったことはこの一言に尽きます。
全てが腑に落ちた気がします。

私も、手に届く範囲の人を悲しませないように生活していこうと思います。
できるだけ網目を細かくし、零れ落ちる人がいないように。

皆さんも人生の目的、生きがいを見つけられることを祈っています。


最後まで読んでいただきありがとうございます!



#読書
#読書感想文
#宮下奈都




この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?