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玉子焼きはちょっと甘い狂気の味


■今日の注目記事に選ばれました!

先日公開した「ロールド・オムレット・ストラータ」が公式の注目記事に選ばれました。これもひとえに読んでいただいたみな様、「スキ」をいただいたみな様のおかげです。

本当にありがとうございます。これからもみな様が楽しめる作品の制作に邁進していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

それでは、本日はみな様への感謝を申し上げて、更新とかえさせていただきたいと思います。

■注目記事に選ばれた「ロールド・オムレット・ストラータ」は下記リンクよりどうぞ

とはいえ、それだけで終わってしまっては味気ないというもの。
しばし四方山話にお付き合いください。

■玉子焼き好きは小学校の頃から

いまだに回転ずしに行くと必ず頼みます。玉子のお寿司。あれば厚焼き玉子を頼みます。あのほのかな甘みがおいしいのです。

小学生の頃は生魚の類は一切食べず、玉子の寿司オンリーでした。親からは安上がりでいいと喜ばれましたが。

なので小説のアイデア出しで、「地面に何かが埋まっている」。これを出発点に連想していったところで、「埋まっているなら突飛なものがいい」。恐竜の化石などではありきたりで、日本にはいなかった動物……、ゾウなんかどうだ(マンモスはいたでしょうが)と考え、古い地層から出てくる、地層、地層地層と考えていると、「ああ、地層って玉子焼きみたいだよな」と思って、タイトルと内容が決まっていった次第です。タイトルを英語にしたのは苦渋の決断です。

「玉子焼きの地層」じゃあんまりなので。タイトル付けのセンスがほしいものです。

玉子焼きが中心に据えられた段階で、定食屋さんがあって、そこに美人女将がいて。客も何人かいて、個性的な方がいいだろうと、設定は結構ぽんぽん決まるので、中心になるアイデアやシーンが決まれば、短編は組み立てやすいです。

難しいのは、スタートダッシュの切り方と、作品の着地点の決め方です。
明確な結論を突きつけてズバッと切って終わらせるのか、余韻をもたせてフェードアウトするのか、長編以上にセンスが要求されます。

どっちがいいか、いい出だしの書き方って、と私に訊かないでくださいね?
私にも分かりません。ただ、短編で余韻をもたせるのは難しいです。読者をもやもやさせて終わらせる結果を招きがちです。
私は余韻をもたせる癖があるので、よく何が言いたかったのこれ? って言われます。

なので、上記に一家言ある方はむしろ教えてください。

書き出しなんか何が正しいのかさっぱりです。読者の心を掴め、とか、なるべく主人公の性格が分かるように、とか会話文を早めにとは聞いたことがあるので、意識してはいますが、意識しても描写過多になりがちで。

創作論というのは、お前何様だとなるので好きじゃないのですが(私自身プロの作家でもありませんし)、あくまで今回取り上げていただいた作品の成立過程の一部をお話しさせていただいたということで、ご容赦をば。

■埋まっているのはゾウの骨か、ただの石か

小さなころ、その辺に落ちている木の枝が戦士の剣で、木材を加工して武器を作っている子どもなんかは英雄でした。雑木林が魔女の森で、川沿いにある小高い砂利の丘が竜の山で。武器を手にしてあちこちを駆け回って冒険に明け暮れていました。

今はそんなことして遊ばないですかね? 自分の子どもを見てもそういう遊び方ってあんまり見たことないというか。

私たちの頃でさえゲームが隆盛していた時代でしたから、私は外で遊びたくても、友達は最新のゲームを部屋の中でやってたい、とニーズがずれることがよくありました。

「ロールド・オムレット・ストラータ」を読んでいただいた方はお分かりになると思うのですが、トシゾウさんのゾウの骨にかける情熱は常軌を逸した狂気の沙汰でしょう。

でも、思うのです。
子どもが木の枝を勇者の剣だと振りかざすのと、トシゾウさんがただの石(かもしれないもの)をゾウの骨だと言い張ること、どこが違うのだろうと。

トシゾウさんが狂人なら、子どもたちの想像力は狂気です。

大人がどうして想像力をもったらいけないんでしょう。「分別」あるいは「理性」という枷を頭にはめて、型にはまった生き方をしなければならないことに私は納得がいかないのです。

だから私は小説の中でよくトシゾウさんのような狂気を抱えた人物を描き出します。それが中心人物のこともあれば、今回のように脇役のこともありますが、それが私の挑戦です。

常識という狂気に満ちた世界への。

こっそりと、小声で私の意見表明をさせていただいたところで、今日の結びとさせていただきます。

それでは、四方山話も玉子焼きを巻くように、いい加減にでき上がったということで。失礼を。

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