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【49冊目】小売の未来

ジャンル:小売
読了時間:3時間
刺さり度:★★★★☆


心に残った文TOP3

消費者が求めているのは、「徹底的な時間の節約」か「有意義に過ごす時間」のどちらかである。時間やカネの節約の面では、怪物企業が優っていることはまず間違いない。この土俵で戦おうとしても、まず勝ち目はない。とすると、勝ち目がありそうな土俵は、消費者に有意義な時間と支出を味わってもらうことだ。顧客一人一人に時間もカネも有意義に使ってもらえれば、自主独立路線で永続できる価値あるブランドの座を獲得できる。

あなたのブランドが答えだとしたら、元の問いかけは何か。ブランドとは、本質的には顧客が何かを手っ取り早く表現する手段である。膨大な数の選択肢があふれる海で迷わないように誘導する手段であり、顧客が選択範囲を絞り込めるように支援するものだ。顧客が迷うことなく「それなら、あのブランドだよ」と明快にあなたのブランド名を挙げてくれるのはどのような問いかけなのか。この問いかけが見えてこなければ、あなたのブランドが存在する根拠もないことになる。

第一にして最も重要な鉄則は、優れた顧客体験は例外なく計画に沿ってつくられる。成り行き任せや解釈の余地は一切ない。
第二に、優れた体験は細部にとことんこだわった成果である。いわゆるカスタマージャーニーのどの瞬間も、細部に至るまで事細かくマップに落とし込まれているのだ。体験のあらゆる面が明確な定義と設計に基づいている。
優れた体験に必ず見られる5つの要素は以下である。
①サプライズ
②独自性
③個別対応
④親密度
⑤再現性


一言コメント

すごいおもしろかった。分厚さに一瞬やられてしまい長い間積読になっていたことを後悔した。

引用で紹介した「ブランドを選ぶ元となる問いかけは何か」「優れた体験に見られる5つの特徴」はどちらも本文中でたっぷり事例が紹介されているのでぜひ小売に関わる人は読んでみてほしい。

Amazonをはじめとする怪物企業に対して、どのように他の小売業は生き残りをかけていけるのか。ベンチャーの目線でも、日系大手の目線でも、得られる学びが多くある一冊だった。文章も簡潔で読みやすい、翻訳家さんすごい。


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