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わたしがデザイナーになるまでのこと

幼稚園の頃、将来は何になりたいか問われたことがあった。 まだ幼くて、友達に「歌手って言おう」と誘われたので、「歌手」が何なのかまだうまく理解できてなかったけど、園長先生にそう伝えた。すると、驚くことに、それは別の子が言ったから駄目だと言われた。その理由が理解できずに泣いていると、園長先生に、近くのスーパーのレジの人にしようと言われ、それがそのまま卒園アルバムに載った。 小学生の頃、卒業文集に将来の夢を書かなければならないとき、何も思い浮かばなかった。幼稚園の時の「歌手」と

    • なんでもない、いつもの朝のこと。

      午前6時、携帯電話にセットしたアラームが鳴りはじめる。 夢から現実に引き戻された衝撃と、もう朝が来てしまったという事実に、すこし黙ってて、と思いながらアラームを止める。 少し夜ふかしすると眠くて仕方ない。あと5分だけ、と思いながら枕に顔をうずめる。起きてお弁当作らなきゃという気持ちと、今日くらいいいじゃんという気持ちが喧嘩しながらウトウトしていると、携帯のスヌーズが「起きて」と叫ぶ。わかったから、とアラームを切った。 猫が背伸びするみたいに、ベッドの中で身体を伸ばす。布

      • 結婚前夜に想うこと

        昔から恋愛に対して、小説やドラマ、映画を見ての憧れはあるけれど、わたしにとっては現実味はないものでした。そんな学生時代を送ってきたわたしにとって、やっぱり結婚も現実味のある話ではなく、単なる憧れでした。 そのせいか、なかなか恋愛に前向きになれず、誰にも打ち明けない想いを抱える片思いばかり。いつの間にか、わたしにとって、恋愛とは”そういうもの”になっていたのです。 高校生になれば、進学すれば、社会人になれば。 そんな先送りのイメージばかりが先行して、なかなか現実味のあるもの

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