書店「九」でひらく読書会の記録です。 「九(くう)」 新刊書・古本・喫茶 毎月替わる…

書店「九」でひらく読書会の記録です。 「九(くう)」 新刊書・古本・喫茶 毎月替わる10冊選書の本屋です。 山あいの集落の中にあります。 京都府南丹市日吉町中世木15 11時〜17時 金・土・日・月 050-3562-0009 www.books-9.com

最近の記事

『JR上野駅公園口』  読書会 #4 (2024.1.13)

今回は5人で読書会。 窓の外に雪がちらつく寒い日に、店の2階の畳の部屋でちゃぶ台を囲み、2時間と少し。ゆっくりと、思い思いに、話しあいました。 〈今回の本〉は、柳美里『JR上野駅公園口』(河出書房新社、2017)。 参加したのは、ひろしさん(初参加)、けんさくさん(二度目の参加)、あずさん(読書会主催)、まひとさん(九店主)、わたし(読書会主催、九店主)の5人です。 主人公の男をめぐって 息子、妻に先立たれ、ホームレス生活を自ら選んだ主人公の男をめぐって、どうしてそん

    • 『すべての月、すべての年』 読書会 #3 (2023.10.22)

      9月から3回連続で開いてきた読書会が最終回を迎えた。 次はまた方法を少し変えてやっていこうと話している。 今回もわたし(主催者、九店主)、あずさん(主催者)、夫(九店主)の3人。 〈今回の本〉はルシア・ベルリンの『すべての月、すべての年』。 大好きなルシア・ベルリンだ。 女であること まず夫が、本書には「女のひとの考え」みたいなものが詰まっていて、そこに魅力を感じたと言った。 最近夫はことあるごとに「男のひとはもういい」と言う。これからは女のひとの時代だとか、男はろくな

      • 『未来の回想』 読書会 #2 (2023.9.24)

        三人で読む 〈今回の本〉は、1929年にロシアの作家シギズムンド・クルジジャノフスキイによって書かれた『未来の回想』という「SF小説」。 今回も主催3人での読書会となった。 ちょっと難解だった。平易なことばで書かれているし、130数ページとさほど長くもない。一応ストーリーもあって物語は進む。だから、読めそうな気がした。 しかし、一度目に読んだときもそうだったけど、ストーリーを追っているつもりがわからなくなる。理解が追いつかない。「時間切断機」と呼ばれるタイム・マシンの話

        • 『ある一生』 読書会 #1 (2023.8.20)

          8月20日(日)、はじめての読書会をひらいた。 といっても参加者はゼロだったので、主催するあずさん(ご近所の友人)、わたし、夫の3人。 わたしとあずさんは2回目、夫は1回目の読了で、読んだ回数も時期も異なることから、自分の中の本の熟成度みたいなのがそれぞれ違っていて、それもまたおもしろいと感じた。 まずは〈今回の本〉の簡単な紹介から。 1899年生まれの主人公は母親を亡くして3歳のときにオーストリア・アルプス山麓の親戚が住む村に連れてこられ、途中、戦争で8年間村を離れた

        『JR上野駅公園口』  読書会 #4 (2024.1.13)