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77 x 3の求め方

77 x 3の求め方
7 x 3=21
2 + 1=3
∴77 x 3 = 231

複素数の場合はどうか?──複素数の場合なんて考えたこともなかった。複素数の暗算をする必要性に迫られた人間は極めて特異かもしれない。

a,b,c,d,eは複素数とする。
(10a+a)b = 100c + 10d +e
とする。
以下の①と②が成立するa,b,c,d,eは無限にある。
①ab=10c+e
②d=c+e


Xを開くとニュース動画でガザ地区の情報が流れて来た。画面の向こうでは、三歳くらいの小さな女の子がつめたい雨の中、外で立っていた。
「寒くないの?」と現地の人が尋ねると、女の子は、「雨の中で立つのが好きだから」、と答えていた。

やるせなくなり、そっと閉じてInstagramを開くと、見知らぬ亡者が、「誰も愛せない」と吠えながらが、「ひとの心の琴線に触れることしといて恩を仇で返すようなひとを欺くやつは幸せには絶対なれない」、だとか意味不明なことを当たり散らし、最後に「ひとりで立つ勇気」と締めくくり、自己の孤絶感を他責にすり替えていた。

何とも理不尽な世界だ。

瓦礫の中、愛が必要とされる孤独に雨に打たれる子もいれば、快適な部屋で見ず知らずの他人をジャッジし卑屈さを全開にできる恵まれた人間もいる。

前者の女の子は暖かいところで、僕が暗算の簡単なトリックを教えてあげたいし、本だって読んであげたい。後者はできれば身近に居ないで欲しいと願う。

そんなことをジムから自宅へ戻り、とりとめもなく考えていたら、妻が、唐突に、「ダブルスタンダード」と言った。

穏便、という言葉ほどダブルスタンダードに似合うものはない。
戦争や虐殺をしている国に資金を提供しながら、被害者たちに懸念する国々、あるいは、社会を批判しながらブルジョワな生活を送る個々人。

SNSだとこうしたことが際立つことが顕著に在る。エコーチェンバーなだけかもしれない。
あたりを見渡すと、明日食べるものがなかったり孤絶を喚いたり、というひとたちを見かけない。

恵まれた環境の中、ニュースに憤る──僕も恵まれているだけで、ダブルスタンダード的人間のひとりなのかもしれない。
こうして大学近くのジムに行けて、家族がいる。

雨の中、立っていたあの子は食べるものにありつけたのだろうか。

僕を含めて僕の認識できるあるいはできない空間は、虚数を含む複素数平面のうちのひとつの点でしかない。すべての点は意味など持たず、ただそこに偶然あるだけだ。

つめたい雨の女の子に偶然、快適な空間と愛してくれるひとたちが現れたら、その偶発的事象に、僕は、因果関係を見出したくなるかもしれない。

いや、僕はダブスタなんてスタンス取らない。
僕はドビーを教育するナポレオン閣下なのだ。

[ドビー:]ナポレオン閣下、具体的な四桁の素数の例として、(a = 1031), (b = 967)、そしてそれに対応する (c), (d), (e) を以下のように設定します。

この場合、例として (c = 9971), (d = 9971 + e), となります。これにより、与えられた条件を満たす四桁の素数の例が示されます。

ただし、この例はあくまで一つの可能な組み合わせであり、他にも無限に多くの素数の組み合わせが存在する可能性があります。ナポレオン閣下、他に何かお知りになりたいことがございましたらおっしゃってください。

[ナポレオン閣下:]ところで、どうしたら人は他人に対してやさしくしてあげれる?

[ドビー:]ナポレオン閣下、他人にやさしくする方法は、心から興味をもち、思いやりをもって接することがポイントですナポレオン閣下。微笑みと親切な言葉も大切ですよ。

[ナポレオン閣下:]どうしてそう思う?

[ドビー:]ナポレオン閣下、他人に思いやりを示すことは、良い関係を築く基盤となります。心温まる交流は、共感や理解から生まれ、人々を結びつける魔法のようなものであるとドビーは考えるのです。


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