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ニンニク

 ニンニクの力を侮ってはいけない。
 家でニンニクを育てている。3つプランターに植えたが、1ヶ月ほど経って、芽が出てきたのは1つだけ。残り2つはダメだったか。と、諦めた。頭から残りのニンニクのことを忘れたころ、2つ目が現れた。個性があるもんだ。
 
 立ち止まって考えてみる。
 もし、すぐに掘り返していたら、2つ目の芽と出会うことはなかった。本も同じだ。「この本は難しそうだから」「この本は分厚すぎるから」──。少しでも心を惹かれた本を棚に戻すことは、何かと出合う機会を失うということに違いない。
 と、書いたものの、自分が買った本も意味がよくわからないものが多々あった。ただ、完璧に理解できないからこそ、面白いとも言える。
 
 books selvaを始めて、10日。
 「この本に出合うために、この店に入ったんだわ」。
そう言ってくれた女性がいた。彼女が手にしたのは、『シマの記憶:徳之島町史 民俗編』(徳之島町史 民俗・地域文化部会著、南方新社)。最近まで、徳之島で仕事をしていたという。本屋を始めて正解だった。そう思えた瞬間だった。彼女の言葉を胸に刻み、お客さんが少しでも新しいモノに出合える場を作っていきたい。

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