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Bookstore AID基金賛同人コメントの一部ご紹介/参加条件ブラッシュアップのお知らせ

※プロジェクトが開始しました!以下は開始前の告知テキストです。(4月30日18時追記)

このプロジェクトについて


このたびの危機に際し、私たちの生活は大きく変わりました。あらゆる業態が困難な状況を強いられていますが、多くの書店もまた存続の危機にさらされています。

この「Bookstore AID基金」は、そんな町の本屋さんを守るために立ち上げられたプロジェクトです。クラウドファンディングサイト「MOTION GALLERY」にて、2020年4月30日(木)からスタートさせます。

詳細はこちらの記事をお読みください。

たくさんの反響をいただいています

告知開始からどしどしと、たくさんのご反響をいただいています。
賛同メッセージをいくつかご紹介いたします。

最果タヒさん(詩人)
先の見えない日々ですが、だからこそ明日も三ヶ月後も来年も百年後だって、本屋さんのある街がいいです。好きな本もわかる本もわからない本も好きになれそうにない本も、全部一緒に並んでくれるから、本屋さんは心地いいんだと私は思います。人のお勧めや流行やランキングで本に出会うこともあるけれど、そういう強い力が自分に向かってくることに疲れてしまうこともあるし、自分だからこそ見つけられる本があるはずだって信じている。本に向き合う時、人はいつもはひとりで、だからこそ、一人きりで見つけ出した本を特別に思うのかもしれません。本屋さんはそういう本と出会える場所だと思っています。
樋口恭介さん(SF作家)
立ち読みばかりの人生でしたが、立ち読みばかりが僕の人生をかたどってきました。
多くの過去の思い出は、書店の風景とともにあります。
これから僕は、僕の未来の思い出を守るために、書店を守る手助けがしたいと思います。
かっぴーさん(漫画家/原作者)
ぼくが漫画を描き続けられているのは、全国の書店で働く皆様のお陰です。平積みで宣伝して下さった書店さん、手書きのPOPで宣伝して下さった書店さん、一つ一つに思い出があります。微力ながら少しでも力になれれば幸いです。また書店で本を買うのを楽しみにしています。
豊崎由美さん(書評家)
言葉を失うような状況ですが、なんとかすべての書店が存続できていくことを祈っています。
有賀薫さん(スープ作家)
深い知識、新しい視点、高い美意識、多様な価値観。これまで本にもらってきたものの大きさは、はかりしれません。微力ながらお役に立てればと思います。
カツセマサヒコさん(ライター)
仕事で行き詰まったとき、
なんとなく退屈な週末に、
何の気力も沸かない昼下がりに、
世の中を知りたいときに、

本屋にいくことで、発見や、活力や、娯楽をもらって生きています。「買う予定のなかった一冊」が、陳腐な人生を豊かにしてくれています。
カバーを選ぶ瞬間や、棚の内容が変わったときに、好きな書店への想いが強くなります。

本屋にはそうした体験を求めて、足を運んでいるのだと気付く日々です。どうか、形は変わっていったとしても、書店という存在はこの世界から消えないでほしいと願っています。


クラウドファンディングは4月30日(木)スタートです。
引き続き、参加書店、賛同人を募集しております!

書店のご参加条件をブラッシュアップしました

「Bookstore AID基金」への書店のご参加条件を4月26日に一部変更いたしました。

24日の告知開始時には

「本と本屋にまつわるエッセイの執筆をしていただきます。(ご署名記事、1000字以上、締切:5月上旬)。一方的な寄付の関係性ではなく、本屋さんとそのファンとの関係性を深める機会にもしたいと考えています。」

としていた項目を

「支援者へのリターンとして配る冊子のための、本と本屋にまつわる文章(エッセイ、挨拶文など)の執筆をしていただくことを希望します(ご署名記事、1000字以上、締切:5月末日)。一方的な寄付の関係性ではなく、御礼の気持ちとともにそれぞれに何かを伝えることで、本屋さんとそのファンとの関係性を深める機会にもしたいと考えているためです。ただし、窮状のなかで執筆のために負担をかけることは本意ではないので、参加のための必須条件ではありません」

としました。

本記事では変更の経緯を説明いたします。

私たちのスタートであり、変わらぬ思いは、「窮状にある書店を支えることに寄与したい」ということです。
しかし、そのことをクラウドファンディングを通してどのような形で実現するか考えたときに最初にぶつかった壁は、「当プロジェクトだけで全国すべての書店・古書店を支えることはできない」です。
全国に200館ほどのミニシアターとは違い、1万を優に超える書店・古書店は単に数が多いだけでなく多様であり、規模の大小も置かれた状況もそれぞれ異なることと思います。その点で、本プロジェクトは「ミニシアター・エイド基金」以上に、その対象となる書店・古書店の線引きおよび分配をよくよく考えねばならない、という思いがありました。
どの書店もなくなってほしくないという思いに嘘はありません。しかし、かといって総額を1万の書店で割るようなことになれば、行き届く金額は極めて小さなものとなってしまう。そこで公募という形をとり、その申込期間を短くし、また、1000字のエッセイの執筆という参加条件を付けることで、困っているという自覚と、困っている人であるほど探しているはずのこうした情報にアクセスするであろう早さとに委ね、また、喫緊で困ってはいないけれどもらえるならばもらっておこうという方の参加がしにくいようにひとつだけハードルを設ける、という方法をとりました。何を線引きの要件にしても、書店・古書店の困窮度合いを、第三者がはかることはできないと考えたからです。それが、取り得る限りもっともフェアな方法だと考えました。

ただその判断は、いくつかの点において甘かったと今は考えています。
募集の開始後、賛同人および書店の方から、「ただでさえ申請書類の作成等に必死になっているこの時期に、短期間でエッセイを書くことは難しい」という声をいくつかいただきました。
いま一番お金を必要としている書店こそが、そのハードルゆえに参加書店として声を挙げられない。
それは私たちの本意ではありません。これは、私たちが「1万以上」という数に気を取られ過ぎたがゆえに考えが及んでいなかったことでした(また、「エッセイ」という表現も、いたずらに執筆のハードルを上げるものだったことにも気が付きました)。
そこで話し合いを重ね、条件を緩和し、執筆は必須事項からは外す判断となりました。

ただし、「可能であれば執筆を希望する」ことは残しています。これは、当プロジェクトが、多くの書店を支えるものとして機能することとともに、その先にある、書店と全国の本好きの方々がより深い関係を持つ契機として機能することにも、大きな意義があると考えるためです。
一度お金を払っていただいてそれで終わりではなく、お金を払った先にある数々の書店が、いったいどんな特色のある店で、どんな考えを持って運営をされているのか、書店の声を聴くことでこそ生まれる関係や親密さがあると考えます。それは、楽しく明るい本の未来をつくっていこうとするときに、必ずや価値を持つものだと考えます。

最後に、ブックストアエイド事務局は少人数で立ち上げられたチームです。すぐにでも必要だという思いから、極めて短い時間で立ち上げ、運営しています。この先にも、至らない判断もあるはずです。その際は、さまざまなお声やご示唆をいただきながら、時間とリソースが許す限りにおいて柔軟に対応していきます。「出来得る限り多くの書店に、出来得る限りフェアな仕組みでサポートしたい」というこの軸を保ちながら、ブラッシュアップを繰り返し、よりよい形にしていこうと考えています。

全国のミニシアターの窮状が、署名活動やクラウドファンディングの声が束になり、大きくなったことで、国会の場で質問として取り上げられるに至ったように、「ブックストアエイド基金」もまた大きな盛り上がりとなることで、この状況下で、それぞれの地域の文化を支える存在としての書店・古書店という場所に、多くの人の目が向けられ、その価値が改めて認識されることに貢献できたらと考えております。

私たちが見たい景色は、書店さん、本好きの方々と同じものであるはずです。ご賛同を引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

Bookstore AID事務局(阿久津隆・内沼晋太郎・大高健志・武田俊・花田菜々子)

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