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今週の全米アルバムチャート事情 #216- 2023/12/30付

いよいよ押し詰まって2023年も今週で最後WBCでの大谷の大活躍で始まった今年も、その大谷ドジャーズとの大型契約で幕を閉じたいろんな意味で激動の一年でした。自分も年の後半からいろいろと健康状況に問題が発覚するなど個人的にも激動の年だった今年から、来年は健康面も改善しながら、プラスの方向に大きく踏み出す一年にしたいと思ってます。現在進行中の年間アルバムランキング・ブログや、もうすぐ始められる予定で年明けも続く第66回グラミー賞大予想ブログなど、併せて2024年もよろしくお付き合い下さい。

"1989 (Taylor's Version)" by Taylor Swift

さて今年最後の全米アルバムチャート、12月30日付のBillboard 200の1位ですが、2週目は大きくポイント減らすだろうけど、ストリーミングはさほど落ちず10万ポイントは確保するだろうニッキー・ミナージがてっきり2週目の1位で2023年のフィニッシュを決めると思ってたんですが、テイラー恐るべし。先週2位にいて109,000ポイントで粘ってたテイラーの『1989 (Taylor’s Version)』が何と今週25%もポイントアップして136,000ポイントで首位に復帰、通算4週目の1位をマークして2023年最後のナンバーワンとなりました。何でこんなに今さらポイントが増えたの?という感じですが、どうもポイントが大幅に今週増えたのは、このアルバムだけでなく、トップ10に粘ってる他のテイラーの2枚のアルバム『Midnights』(対先週31%増)と『Lover』(同22%増)も同様で、要は今週テイラーのアルバムが軒並みポイント増やしてるようなんです

突然ストリーミングのポイントが2割も3割も増えるような要素はないので、これは明らかに実売が増えてる結果。ちょうどチャート集計期間はクリスマスの前の週末を含んでるということで、どうもネットのクリスマスショッピングでテイラーのフィジカル、特にヴァイナルのいろんなバージョンが売れてる、というのがこのチャート上の盛り上がりにつながってるようです。それにしても今年の初めはSZASOS』の歴史的大ヒットから始まって、モーガン野郎の『One Thing At A Time』の13週1位、TXT、ストレイ・キッズ(2枚)、ニュージーンズ、ATEEZとKポップ勢のナンバーワンが一気に増え、バッド・バニーカロルGのオールスペイン語のアルバムも1位を取るなど群雄割拠の様相を呈してきた2023年のアルバムチャートですが、終わりはしっかりテイラーが持って行く、という結果になりました。そして今週の1位で、テイラーはトータル1位滞在週数を67週として、とうとうエルヴィス・プレスリーと並んで歴代2位タイ(1位はビートルズの132週)、ソロアーティストとしてはエルヴィス共々最多週数という金字塔に到達したことになります。おそらくエルヴィスを抜き去って単独2位は間違いないところ、来年2月には日本でもERASツアーを展開するテイラー、2024年も彼女のの年になるのでしょうか。

今週のトップ10は初登場なし。クリスマス・アルバム関係は引き続き強くて、8位には先々週10位にいたナット・キング・コールThe Christmas Song』が先週11位から再上昇してますし、10位にはいよいよここ5シーズン連続してトップ10入りしている御大マライアの『Merry Christmas』が今シーズン初のトップ10入りを果たしています。そしてトップ10だけでなくて今週は圏外100位まではおろか、200位まで初登場がゼロでした!クリスマスアルバムや今年のヒットアルバムがチラホラ再登場してますが、これは明らかにクリスマスショッピングの影響でしょう。しかし200位まで初登場ゼロってのはそうそう無いと思うので、正月休みの間に前回完全ゼロだったのがいつだったか調べてみようかな。

ということで今週はネタが薄いので(笑)年末ということで先日ビルボード誌が発表した2023年のアルバム年間ランキング20位までのリストをお届けします。何とトップ20全てのアルバムが今週現在チャートイン中、中には去年、一昨年のアルバムも入っていてあんまり2023年のランキングって感じしないんですけどね(カッコ内は最高位、今週現在チャートイン週数)。

  1. One Thing At A Time ▲5 - Morgan Wallen (#1, 42 wks)

  2. Midnights ▲2 - Taylor Swift (#1, 61 wks)

  3. SOS ▲3 - SZA (#1, 54 wks)

  4. Her Loss ▲2 - Drake & 21 Savage (#1, 59 wks)

  5. Dangerous: The Double Album ▲6 - Morgan Wallen (#1, 154 wks)

  6. Heroes & Villains ▲ - Metro Boomin (#1, 55 wks)

  7. Un Verano Sin Ti - Bad Bunny (#1, 85 wks)

  8. American Heartbreak ▲ - Zach Bryan (#5, 83 wks)

  9. Lover ▲3 - Taylor Swift (#1, 226 wks)

  10. Utopia - Travis Scott (#1, 21 wks)

  11. Speak Now (Taylor’s Version) - Taylor Swift (#1, 24 wks)

  12. Folklore ▲2 - Taylor Swift (#1, 178 wks)

  13. It’s Only Me ▲ - Lil Baby (#1, 62 wks)

  14. The Highlights - The Weeknd (#1, 146 wks)

  15. Harry’s House ▲2 - Harry Styles (#1, 83 wks)

  16. 1989 ▲9 - Taylor Swift (#1, 471 wks)

  17. Red (Taylor’s Version) - Taylor Swift (#1, 110 wks)

  18. Diamonds ▲2 - Elton John (#7, 319 wks)

  19. Mañana Sera Bonito - Karol G (#1, 43 wks)

  20. Gettin’ Old ● - Luke Combs (#4, 39 wks)

続いて今週のトップ10おさらいです(順位、先週順位、週数、タイトル、アーティスト、<総ポイント数/アルバム実売枚数、*はHits Daily Double調べ>)。

*1 (2) (8) 1989 (Taylor’s Version) - Taylor Swift <136,000 pt/84,895枚*>
2 (1) (2) Pink Friday 2 - Nicki Minaj <100,000 pt/13,978枚*>
*3 (7) (61) Midnights ▲2 - Taylor Swift <75,000 pt/38,373枚*>
4 (5) (116) Christmas ▲6 - Michael Buble <70,000 pt/5,528枚*>
5 (6) (42) One Thing At A Time - Morgan Wallen <64,000 pt/6,279枚*>
6 (3) (11) For All The Dogs - Drake <64,000 pt/145枚*>
*7 (9) (226) Lover ▲3 - Taylor Swift <60,000 pt/26,916枚*>
*8 (11) (80) The Christmas Song ▲6 - Nat King Cole <56,000 pt/2,386枚*>
9 (8) (54) SOS ▲3 - SZA <54,000 pt/7,938枚*>
10 (12) (123) Merry Christmas ▲9 - Mariah Carey <52,000 pt/4,314枚*>

ということでテイラーが2023年の大トリを締めた今年の「全米アルバムチャート事情!」いかがだったでしょうか?来週は新年、2024年になっても引き続きこのブログは毎週更新しますので引き続きよろしくお願いします。最後に新年第一週目のチャートの1位予想です(チャート集計対象期間:12/22~28)。当然この時期の新譜リリースは薄いので今週の感じだとおそらくクリスマスの週末に売上を伸ばしているに違いないテイラーが間違いなく来週も首位をキープして、2024年をキックオフすることになりそうですね。では皆さん、また来年、よいお年を!

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