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2024年グラミー賞生ブログ #5

さあ次は毎年恒例の物故者へのトリビュート・セクション(In Memoriam)。今回は追悼パフォーマンスはトニー・ベネット、ティナ・ターナー、そしてフジロックフーファイもトリビュートしたシネイド・オコナーについて行われるらしいけど、少しでいいからYMOのトリビュートもやってほしかったなあ。最初にトニー・ベネットを追悼するのは何とスティーヴィー・ワンダー。なかなか意外な人選だと思ったけど、彼がまだティーンエイジャーの頃、トニーと「For Once In My Life」を一緒にパフォーマンスしたらしい。そのトニーがその「For Once In My Life」を歌うビデオ映像と交代にヴァースをスティーヴィーが歌う、という「Unforgettable手法」でのパフォーマンス。いやあなかなか素晴らしいね。ちゃんと途中でトニーが「Sing it, Stevie!」と叫ぶのがすごいね。

その後は去年の物故者の写真が次々に映し出されるのをバックにスティーヴィーが引き続きパフォーマンス。いやでも、ロビー・ロバートソンウェイン・ショーターなどなど、やっぱり去年はまた重要なミュージシャン達が多く去っていった年だったんだなあ、というのを実感するな。ジミー・バフェットの映像が映し出されて次に登場したのは左目の下に涙を表すシルバー・ラメのメイクを施したアニー・レノックス。そして歌うのはそう、シネイド・オコナーの「Nothing Compares 2 U」。バックでギターとピアノを演奏するのがウェンディ&リサ、というのはこの曲の作者であるプリンスをリスペクトしてのことなんだろうな。おお、そしてアニーが感極まってガザの戦火中断を訴えたタイミングでバックに映し出されたのは大きな坂本龍一の写真。会場の反応があまりないのが寂しいけど。

アニーの歌が終わった後大きく映し出されたのはバート・バカラック、シンシア・ウェイル、そしてシーモア・スタインなど、音楽業界を支えてきた人々の姿。つい最近なくなったメラニーの顔も。続いてはビル・ウィザーズらを見出したという「ブラック・ゴッドファーザー」クラレンス・エイヴォンの追悼パフォーマンスを紹介するのはレニー・クラヴィッツ。そしてステージにはジョン・バティーストがピアノに座って、静かにビル・ウィザーズの「Ain't No Sunshine」を歌い出す。曲は続いて「Lean On Me」、そしてバックにはマリーナ・ショージーン・ナイトなどR&B系の物故者の映像が。そして「Lean On Me」に続いてゴスペルナンバー「Optimistic」を一緒に歌うのはゴスペル界のゴッドマザー、アン・ネスビー、そしてその後ろには肩掛けキーボードとベースを下げて演奏する、ジミー・ジャム&テリー・ルイスの姿が。ステージはゴスペルな一大カタルシス状態に一気に到達して観客席もやんやの大喝采。

続いてステージに登場したのはオプラ・ウィンフリー(かなり痩せててびっくりした!)、追悼するのはティナ・ターナー。亡きティナとの過去のエピソードなどを語るオプラが紹介する追悼パフォーマーは、アメ・アド・チャンピオンのファンテイジアことファンテイジア・バリーノ。階段状のステージ上にティナ風のゴールドのドレスに身を包んで「Proud Mary」を歌うファンテイジアには同じ衣装の女性ダンサーがざっと15人ほど。やっぱティナって言うと80年代のヒットよりも、アイクとやってた70年代の曲がしっくりくるよね。おお、ファンテイジアは客席に降りていって、デュア・リパビヨンセのところに言って体をくねくねさせながら場を盛り上げてる。ちょうど客席の真ん中にある円形ステージに場所を移してエネルギッシュに歌い、踊るファンテイジアにはティナが乗り移ったかのよう。カロルGビリー&フィニアスも、ケリクラもみんな大喜びだね!いや、それにしてもオプラによるとアダム・ブラックストーンもこの追悼に参加してたらしいけど、バックのバンドにいたのかなあ、全然気が付かなかった(笑)。

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