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2024年グラミー賞生ブログ #8

さてスタジオではジョン・カビラビリー・ジョエルのパフォーマンスの期待で盛り上がる中、授賞式の方では功労賞の受賞者の紹介が映像で流れた後、トレヴァーが紹介するのは、マーク・ロンソンメリル・ストリープの2人による、レコード・オブ・ジ・イヤーの発表。笑ったのは、メリルが「最優秀アルバムの発表です」というとマークが「いやいやメリル、僕らが発表するのは最優秀レコードだよ」。メリルが「でもアルバムはレコードでしょ」「でもこの部門は一曲を表彰する部門だから」「あら、じゃあ最優秀シングルなのね」というなかなか微笑ましいやり取り。これって台本なのかアドリブなのかよくわからないけど、なかなか笑えるよね。で、発表された受賞者は.…おおお何と!マイリーの「Flowers」か!いや、自分も対抗◯に最後に修正したけど、これはちょっと、いやかなり意外だねえ。まあ、でもスタッフはキッド・ハープーンタイラー・ジョンソンという、去年の『Harry's House』のスタッフだし、文句なしの大ヒットだし、エンパワーメント・メッセージもあるしと、振り返って見ると受賞は妥当なんだろうね。これで晴れてマイリーも一人のアーティストとしてのステータスをがっつり確立したわけだ。おめでとう、マイリー

そして次はビリー・ジョエルが30年ぶりの新曲をご披露する、多くの人の期待が集まるパフォーマンス。それに先立つビデオでは、この新曲をビリーと共作したフレディ・ウェクスラーが2人でこの曲を醸し出した過程を説明。最後の最後まで最高のものができるまで、フレディは納得しなかった、というところにフレディビリーに対するリスペクトと愛情を感じたなあ。そしてビリーがピアノを引きながら歌う新曲「Turn The Light Back On」。ビリーの代名詞である吟遊詩人的でもなく、かといって彼が世界的に有名になったポップ調でもなく、とてもスケールの大きい、ちょうど1976年のアルバム『ニューヨーク物語(Turnstiles)』に入っていそうなそんな独特の魅力を感じるいい曲だね。おお!そしてバックでチェロを弾いてるのって、最優秀トラディショナル・ポップ・アルバムを今日受賞してる、レイヴェイではないか!アカデミー、なかなか粋な演出を見せてくれるねえ。当然会場は総立ち、スタンディング・オベーションです。そして続いて紹介されたのはセリーン・ディオン!セリーンといえば、スティッフパーソン症候群という歌も歌えなくなるという重い病気でここ数年一線から退いていたし、時々伝わってくる写真の彼女の姿も痛々しいものだったけど、今日登場したセリーンは、とっても健康そうで、昔に比べて少しだけ年を経て、少しだけふっくらしているのがとても素晴らしいな!そして彼女が発表するのが、今夜最後の賞、最優秀アルバム部門さあ、ここはテイラー◎か、ラナ◯か、SZA✗か??おおおお!やはりテイラーか!テイラー、とうとう歴史を作ったな。受賞の瞬間、隣にいたジャック・アントノフと抱き合ったテイラーは、すぐさまその反対側にいたラナ・デル・レイと抱き合う抱き合う。そしてジャックラナと手を手を取ってステージに上ったテイラーは当然大喜び。「これから東京に行ってライブやる準備しなきゃいけないの」と言いながら、ジャックラナ・デル・レイ、に感謝。特にラナについては「彼女のインスピレーションがなければ多くの今の女性アーティスト達はいなかっただろうと言えるほどの、今を生きるレジェンドなのよ」と大絶賛。『Midnights』のアルバムでも「Snow On The Beach」でコラボしてるラナ、彼女もジャックのプロデュースでこの同じ部門にノミネートされてた訳で、テイラーの賛辞は嬉しいけど複雑だな〜、って感じでステージの後ろの方で、ニコニコしてたね(笑)。

そして3時間半があっという間に過ぎた授賞式の最後を締めたのは、ビリーとそのバンドが引き続きステージに残ってブルックリン・ブリッジの景色をバックに演奏した、「ガラスのニューヨーク(You May Be Right)」でロックンロールなエンディング。スタジオでジョン・カビラが言ってたけど、この曲の歌詞で「Turn off the lights(明かりを消して)」というのがあったのに対して新曲が「Turn The Light Back On(もう一度明かりを付けて)」というなかなか美しいシンメトリーで締めるという、ここでもニクいアカデミーの演出でした。

ということで今年も興奮と盛り上がり満点のグラミー授賞式の生ブログ、いかがでしたか?WOWOW契約の方は、今夜の字幕版を観ながら、契約ない方はこの生ブログを観ながら授賞式の様子を思い浮かべて楽しんで下さい。今年はめでたく主要4部門中3部門で本命◎的中、残る1部門も対抗◯的中という久しぶりの(ほぼ)完全予想的中でした。他の全部門の答え合わせも含めて、時間と余裕があったら後ほどおさらいブログでもアップしようかと思ってますので、そちらもご期待を。

ではまた来年のグラミーまで!

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