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DIR EN GREY TOUR 2023 PHALARIS FINAL -The scent of peaceful death-

多分何か狂ってるんだろう。この世の中も、こんなバンドが生まれたことも。

でも狂ってるからこそ、このバンドが必要だったんだとも思う。

DIR EN GREY
TOUR 2023
PHALARIS FINAL
-The scent of peaceful death-

バンドのコンセプトである痛みの表現、そのために用いられる狂気的なパフォーマンス。
ただそれ自体を狂気と一言で片づけてしまうのはあまりに浅はかで、”狂気は理性と隣り合わせであること”そしてその狂気が強烈な”生への執着”であることを、前回参戦したPHALARISツアーのVol.1で感じました。

Vol.2は開催エリア的に断念…

で、今回のVol.3、本編で突き付けられたのは

途方もない絶望でした。

曲名は伏せますが途中のブロックはもう見ているのが辛くなる瞬間の連続。楽曲の中でもがき苦しむ京の姿を見て、自分でもそれが何なのか、初めての流す種類の涙を流していました。

ただ、バンドは語り掛けてくるんです。

「血を流せ お前は生きてる お前の自由を探せ」

こんなにも辛く、苦しい現実の中でも生きていかなければならない、生きろと。
受け止めなければ…
目を逸らすなんて出来ない、いくら辛くても、今目の前の光景を、受け止めなければ。

こんなにも強烈に、生きることを訴えかけてくるバンドはいない。

しかも優しく訴えかけてくるのではなく、今自分が生きている世界がどれだけのものかを突き付けてくる。きれいごとだけではない、その姿勢を圧倒的に貫き通してきているからこそ、説得力がある。

そして最後にこう言うんです。

「後何年ですか?まだ生きるんですか?」
「安らかな死の匂いを」

いつまであるか分からない、これからも続く人生。どれだけ辛いことが待ち受けてるんだろうか。それでもまだ生きていかなければならない。

-The scent of peaceful death-

ライブ本編を見ている最中、こうついている意味を考えていました。突きつけられる絶望に、「本当に安らかな死の匂いなんて存在するんだろうか」と。

ただ最後に分かったのは、存在を証明することではなくて、存在することを信じ、求めて、これから人生も、そしてバンドもまだ続いていくこと。

本当に強烈で深く刻み込まれた一夜。観に来れて本当に良かった。次はどんな世界を見せてくれるんだろうか。

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#PHALARISFINAL
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